
「ユニクロ全日本ジュニアテニス選手権2026」(2026年8月24日〜9月5日/有明コロシアム及び有明テニスの森公園)は30日、12歳以下と14歳以下の男女シングルス決勝が行われた。
■U14男子シングルス
第3シードの石部宝之助が第7シードの 柴田悠成と対戦し、7-6(2)、2-6、7-6(6)の大接戦の末に全国初優勝を果たした。全国大会の決勝は3度目で初の頂点である。

対戦相手の柴田は1学年上で体格も良く、サービスもストロークもパワー溢れるショットが持ち味だ。ミスも多いが、ミスを恐れず打ってくる。
石部はそのプレースタイルを理解しており、「決勝なので、どんどん打って来ると思ったから、まずはそれを返す。打ち込まれ過ぎないようにミスさせたり、嫌なところに打ったりして、 甘くなったらフォアで決めていこうと思っていました」とプランを明かす。
コースを読んで返球の確率を上げたり、スライスで軌道を低くして打ち込まれないようにする工夫が奏功して、第1セットをタイブレークの末にものにした。
第2セットは取り返されるものの、ファイナルセットでは「相手はサーブがすごくいい選手だから、自分のサービスゲームは絶対にキープしよう」と考えて気持ちを切り替えた。4-1とリードしたが、簡単には終わらない。追いつかれて、相手にマッチポイントまで握られしまう。

このピンチを切り抜けてタイブレークに持ち込むと、「絶対に気持ちで負けない。絶対勝とう」と気持ちを強く持ち、4本目のマッチポイントでとうとう優勝に辿り着いた。
石部は2年前の12歳以下の時に、全日本ジュニアと全国選抜ジュニアで2度、全国大会の準優勝を経験している。あと一歩優勝に届かなかったのは「競った場面で弱気になってしまった」からだと分析。
今回は「競った時は絶対勝とうと思った」と、強い気持ちで臨むと決めていた。試合中に時々心が揺れながらも、最後に勝ち切れた今回の勝利は、大きな自信になることだろう。


■U14女子シングルス
14歳以下女子決勝では、第3シードの 深澤和(のどか)がノーシードから勝ち上がってきた宮本珠莉愛(じゅりあ)に、1-6、6-2、7-6(1)の逆転勝利で全国初タイトルを手に入れた。

宮本とは対戦経験があり、勝ち越している深澤は、「相手はショートクロスがうまいので、私もクロスに返して、チャンスを見つけたらストレート打つ」と戦略を考えていた。ただ、第1セットは緊張してミスが早くなり、1-6で失ってしまう。
予想通りバックのクロスラリーになることが多く、フラット系で低い軌道のボールを打つ両者のラリーは、どちらが先にミスをするか、先にストレートに展開できるかがポイントを取る鍵になっていた。
1セットダウンから気持ちを切り替えて、戦略は変えずに集中力を上げてミスを減らすことを心掛けた深澤が、6-2で第2セットを取りタイに戻す。
ファイナルセットでは、2-0とリードすると2-2に追いつかれ、4-2とリードすると、4-4に追いつかれる苦しい展開に。そんな時は、「応援してくれている皆の顔を見て、頑張ろうと思いました」と、励まされてタイブレークに突入した。

「タイブレーク得意です」と言う深澤は強かった。相手に1ポイントしか与えず、チャンピオンシップポイントはスマッシュで決めて、「メンタルが強いってよく言われます」と笑顔で語る。
「12歳の時には立てなかったこの舞台に立って優勝することができて、とても嬉しいです」と言う深澤。今年は5月の全国選抜ジュニアで初の決勝に進出し準優勝。今回は見事に優勝と好成績が続いている。
その要因は、コーチに「今年は優勝だ」と言われたことによる気持ちの変化だと言う。練習量も増やして「他の人よりも頑張るぞ」と思って練習に取り組むことができた。日々の練習の質が結果に結びつくことを証明した優勝だった。


取材・写真/赤松恵珠子

