世界ランキング5位で第5シードの錦織圭(25歳)の活躍で世界のトップを目指すジュニアに勢いがついている。世界ランク100位以内に7人の男子選手、そしてウインブルドンでは5人の選手が本戦からの出場を決めている。

しかしプロテニス選手としての遠征事情は厳しい環境にある。今、イギリス女子テニス界の立役者とともに、日本女子プロテニス界を変える挑戦が始まります。

世界ランク自己最高シングルス84位、ダブルス13位の藤原里華。2度の全日本テニス選手権女子シングルス優勝。2002年の全豪オープン女子ダブルスでは浅越しのぶとペアを組んでベスト8、同年の全仏オープンでは杉山愛とペアを組みベスト4。2012年のデンマーク・オープンのダブルスでクルム伊達公子とペアを組み優勝、30歳で初のWTA大会コペンハーゲンでツアー優勝を果たしている。

世界を相手に戦うテニスプレイヤーの多くは多額の活動資金を前に、志半ばでプロ活動を継続することが出来ない現状がある。藤原里華はPro Tour Team Japan立ち上げ、チーム全体で遠征渡航費や費用、選手個人にかかる負担を軽減し、より競技に集中出来る環境を作ることを目指して活動する。

藤原里華

世界ランキングでの上位進出、オリンピック出場など未来の大舞台を夢見て練習、試合での年間活動資金は、最低でも587万円程を要する。国内外での遠征費用や現地での宿泊費用・試合で怪我をした際の身体の治療費など。しかし世界の舞台で勝ち進むためには、プロのコーチを雇う必要があり、さらにテニスの4大大会「グランドスラム」に出場するレベルの選手は、年間を通してコーチを帯同している。

藤原里華選手が昨年度の2014年で出場した大会は、シングルスで27大会。全試合を通して獲得した賞金は、日本円にしておよそ100万円。年間活動資金には、足りず、不足している分はスポンサーを探し、また家族から援助を受け、トレーニング、練習を重ね、グランドスラム・オリンピックを目指している。

藤原里華

こうした日本女子テニス界の現状、藤原里華選手と一緒に「日本女子テニス界を変えたい」と強く思った「サイモン・ウォルシュ」がヘッドコーチに就任。5年後に迫る東京オリンピックでは、女子プロテニス界を盛り上げながら、女子テニス・シングルス、ダブルスでのメダルを目指します。

ウォルシュは、それまで17年間WTAランク100位以内に1人も入ることがない、テニスに弱い国というイメージがついていたイギリスで、女子代表コーチに就任後、わずか4年で、それ以前の17年間1人も実現出来なかった世界ランキング50位以内を2名、100位以内を2名輩出した、イギリス女子テニス界の立役者です。

取材にご協力いただいた藤原里華が、「世界に挑む!日本女子プロテニスプレイヤー育成へ!強化遠征実施」という内容でクラウドファンディングを実施中です。
世界に挑む!日本女子プロテニスプレイヤー育成へ!強化遠征実施

記事:長嶋秀和