慶應義塾大学日吉キャンパスにて開催されている慶應チャレンジャー国際テニストーナメント。2回戦では屈指の好カード、オーストラリアの若手の2人、ブレイク・モットーとマーク・ポールマンスが対戦した。

「大会を通じて「世界基準」というものを、皆さんの肌で感じてもらえたら」
今大会が開催スタートした時、慶應義塾体育会庭球部総監督で大会ディレクターでもある坂井利彰氏は語っていた。

今大会では過去に世界で活躍するためのチャンスを掴んだボルナ・コリッチ(クロアチア)がその後、アンディ・マレーやラファエル・ナダルを倒す活躍を見せた。

そしてデ杯優勝に貢献したカイル・エドモンド(英国)、トップ100入りを果たしたチャン・ヒョン(韓国)らも慶應チャレンジャーで飛躍の機会を得た。

彼らは昨年、ATP公式のNext Generationという次世代を担う選手の1人として選出され注目を集めている。

今年、全豪オープンダブルスベスト4進出を果たした19歳のポールマンスはジュニアの国際大会では日本選手と切磋琢磨してきた1人。粘り強く返球しトップスピンロブの芸術さは元世界1位のレイトン・ヒューイットを彷彿させる。

また20歳のモットーは、ジュニア世界ランクは最高229位ながら、プロの国際大会を14歳から転戦してきた。今年の全豪オープンではリシャール・ガスケ(フランス)と好勝負を演じている。

試合は第1セット序盤からお互いの持ち味を発揮しモットーがストロークで先に動かしエースを連発、対するポールマンスはカウンターで切り返してエース奪うなど見応えある試合となったが、重要な場面で積極的なネットプレーでポイントを奪ったモットーが6-4で先取。

第2セットは相手のミスを引き出すうまさを見せたポールマンスがペースを握るかに見えたが、セット後半ではドロップショットやバックバンドスライス、ショートクロスを織り交ぜた多彩な攻めを見せたモットーが圧倒しストレートで勝利し準々決勝進出を果たした。

数年後、またグランドスラムの舞台で繰り広げられる熱戦を見る事が出来る慶應チャレンジャー大会。

質の高いプレーを間近で観戦出来る機会に感謝するとともに、素晴らしい選手と戦いに挑む日本の若い選手達に期待したい。

記事:長嶋秀和