8月18日、アメリカ、シンシナティで行われている男子テニスツアー、ウェスタン&サザン・オープン。
準々決勝が行われ、杉田祐一(三菱電機)は第7シードのG・ディミトロフ(ブルガリア)に2-6,1-6で敗れ、四大大会に次ぐ格の「ATPマスターズ1000」での初4強入りはならなかった。
「(ベスト4は逃したがATP1000で)ベスト8になったことは誇れることだと思う。このレベルに定着したい」と杉田。
この経験が杉田をもう一つ高いレベルにしてくれるのだろう。頑張れ杉田祐一。皆応援している。
杉田vsディミトロフ 準々決勝
錦織圭が欠場する中、杉田は、1回戦で第13シードのJ・ソック(アメリカ)を7-5 6-4で破る金星を挙げると、
2回戦でJ・ソウサ(ポルトガル)を3-6 7-6(5) 6-1で、
3回戦では破壊力抜群、ロシア期待の21歳のK・カチャノフを6-7(0) 6-3 6-3で破り、快進撃の8強入りした。
「大舞台でトップ選手とやれることは自分自身も楽しみ。さらに自分をアピールする場所でもあり、ここで結果を残すことができれば自分のレベルが上がり、より高いレベルにいける可能性がある。」
「おもしろい戦いにしたい。」と意気込んで入ったディミトルフ戦だった。
≪第1セット≫
ディミトルフのサーブで始まると、8ポイント連続でディミトルフに取られ、杉田0-2の展開。
2-5、杉田のサーブで0-40とセットポイントを掴まれる。
踏ん張る杉田はデュースに持ち込む。
諦めない、これが大切。相手に杉田は手強いと思わせプレッシャーを与える。
杉田らしさを発揮したが、2度目のデュース、4回目のセットポイント。バックのクロスをワイドにして、2-6で第1セットを落とす。
≪第2セット≫
第2ゲーム、杉田15-40からデュースに持ち込むが、デュース後の3本目ブレーク・ポイント、ネットインなどもあり、ディミトルフに攻められてサーブを落とす。杉田0-2。
ディミトルフの低く滑るバックのスライス、深いフォア、チャンスにはネットについてくる多彩なプレー。
その上、スパー・ダイビング・ボレーを決められるなど、懸命に食らいつく杉田だが、0-5となってしまう。
それでも、なんとか自分のサーブをキープする杉田。
5-1、ディミトルフのサービング・フォ・ザ・マッチも40-0とマッチポイントを掴まれる。
ディミトルフは鮮やかなTへサービス・エースを決めた。
「楽しみつつ、勝ちにいくつつもりでやっていく。ベストなプレーができればと思う。」と杉田はディミトルフ戦に臨んでいた。
この試合を通してのエラーの数は杉田の33に対してディミトルフは8。
ディミトルフは杉田のプレーを研究、緩急、高低をうまくつけて杉田の持ち味を殺した。
負けてしまったが、この経験が杉田をより高いレベルにしてくれるのだろう。
今年7月、ウィンブルドン前哨戦のアンタルヤ・オープン(トルコ、ATP250)でツアー初優勝。
日本男子で松岡修造、錦織圭に次ぐ史上三人目の快挙を成し遂げる。
ATP(世界)ランキングで松岡修造の自己最高46位を抜いて錦織に次ぐ日本男子歴代2位の43位と記録更新。
杉田祐一ATPデーター
杉田祐一ITFデーター
杉田祐一ブログ
賞金総額:$5,627,305(約6億円), ATP1000
優勝賞金:$954,225(約1億円)
会場:Lindner Family Tennis Center
現地時刻:シンシナティ時刻(時差-13時間)
期間:08/13 - 08/20/2017
男子ATP 56ドロー
オーダー・オブ・プレー
ナダル、ティエムも敗れた!
<<準々決勝>>
〇N.Kyrgios(AUS) 64 75 ●1]R.Nadal(ESP)
〇D.Ferrer(ESP) 63 63 ●3]D.Thiem(AUT)
〇14]J.Isner(USA) 76(4) 75 ●W]J.Donaldson(USA)
〇7]G.Dimitrov(BUL) 62 61 ●杉田祐一
<<全3回戦>>
〇1]R.Nadal(ESP) 761 62 ●Ramos-Vinolas(ESP)
〇N.Kyrgios(AUS) 46 76(6) 63 ●I.Karlovic(CRO)
〇3]D.Thiem(AUT) 76(4) 76(3) ●A.Mannarino(FRA)
〇D.Ferrer(ESP) 64 64 ●11]CarrenoBusta(ESP)
〇W]J.Donaldson(USA) 64 76(4) ●N.Basilashvili(GEO)
〇14]J.Isner(USA) 76(5) 75 ●W]F.Tiafoe(USA)
〇7]G.Dimitrov(BUL) 63 75 ●del Potro(ARG)
〇杉田祐一 67(0) 63 63 ●K.Khachanov(RUS)
<<2回戦>>
〇杉田祐一 36 76(5) 61 ●J.SOUSA(POL)
<<1回戦>>
〇杉田祐一 75 64 ●13]J.Sock(USA)
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ドローnet
杉田、昨年は厳しい予選を勝ち上がり本戦入り。
今注目のA・ズベレフ(ドイツ)を6-7(4),6-4,6-2で破りATPマスターズ1000、初勝利をあげた。
さらに2回戦も勝ち進み、3回戦でM・ラオニッチ(カナダ)に1-6,6-3,1-6で惜敗したものの、16強になっていた。
第5シードで出場予定だった錦織は、右手首腱損傷のため、今期の残り試合を欠場。
杉田は8月21日からWINSTON-SALEM OPEN(ATP250)に出場予定。
8月28日からは今年最後のグランドスラム大会、USオープン
(記事塚越亘 kyoko photo佐藤ひろし/TennisJapan)