英国のロンドンで開催されている芝の4大大会、ウィンブルドン選手権(賞金総額13,725,000ユーロ、芝)は大会2日目となる22日、日本勢から女子シングルスの1回戦に3選手が登場。クルム伊達公子(39歳)は、第31シードのアレクサンドラ・ドゥルゲル(21歳、ルーマニア)に 2-6 7-6(3) 1-6 で惜敗、14年振りのウィンブルドン勝利はならなかったが、若手、森田あゆみ(20歳)と、奈良くるみ(19歳)は共にストレートで快勝し初戦を突破、4大大会で嬉しい初勝利を掴んだ。


全仏オープンで古傷となった右足ふくらはぎを悪化させ、その治療と調整から芝シーズンでは前哨戦に出場なく臨んだ世界ランク64位のクルム伊達、この日は中々調子を上げることが出来ず、第1セットは2つのサービス・ブレークを許し1-6で失う苦しいスタートになった。
第2セットでは、第5ゲームに先にブレークを奪い3-2とリードするが、続くクルム伊達のサービス・ゲームをブレーク・バックされると、中盤はブレーク合戦になる。徐々に調子を上げてきたクルム伊達は、後半、試合を支配、タイブレークに突入すると、常に先行し7-3でタイブレークを制した。第2セットは1時間を要した。
勝負の懸かった第3セット、クルム伊達は第1ゲームのサービス・キープに成功するが、ここから、足の疲れの影響か、動きに精彩を欠くようになった。これ以降は、3つのサービス・ブレークを奪われ、1-6でセットを失い試合終了となった。
敗れたクルム伊達は、準決勝まで進んだ1996年大会以来の、14年振りの勝利を挙げることはできなかったが、今大会、タマリネ・タナスガーン(33歳、タイ)と組んだダブルスを残している。

試合経過
第1セット 10 11 12 TB  
クルム伊達                      
ドゥルゲル              
第2セット 10 11 12 TB  
クルム伊達            
ドゥルゲル            
第3セット 10 11 12 TB  
クルム伊達                        
ドゥルゲル              

試合時間:1時間57分
※表の見方
 ○:サービスキープ
 ◎:サービスブレーク

そして、世界ランク101位の、森田あゆみ(20歳)は、世界ランク105位のベテラン、タマリネ・タナスガーン(33歳、タイ)と対戦。森田は攻撃的なテニスを展開、2008年大会で8強入りしているタナスガーンから28個のウィナー(エース)を奪い、7-5 6-1 のストレートで完勝した。森田は4大大会、9大会目で嬉しい初勝利となった。勝った森田は、2回戦では、この日、第25シード のルーシー・サファロバ(23歳、チェコ)を破って勝ち上がってきた世界ランク46位のドミニカ・チブルコバ(21歳、スロバキア)と対戦する。両者は初対戦となる。
また、全仏オープンに続いて、予選を突破しての出場となった世界ランク149位の奈良くるみ(19歳)は、世界ランク115位のマリアナ・デュケ・マリーノ(20歳、コロンビア)と対戦。奈良は、アンフォースド・エラー(凡ミス)8個(相手は21個)が示す通り、ミスの少ない安定したテニスを展開、サービス・ブレークの数でも3つ上回り 6-4 6-2 試合時間僅か1時間3分で快勝した。こちらも嬉しい4大大会初勝利となった。勝った奈良は、2回戦では、第9シードの李娜(28歳、中国)と対戦する。両者は初対戦となる。
森田と奈良の2回戦は、1日空いて、大会4日目の24日に行われる予定。