3月23日(金) アメリカ、フロリダ州で行われているマイアミ・オープン、グランドスラム大会に次ぐ格のビッグ大会。
男女2回戦が行われ、錦織圭(日清食品)が苦しみながらも3回戦に進出した。
96位のジョン・ミリアン(オーストラリア)に7-6(4)、4-6、6-3で勝利した。
第1セットは2-5、5度のセットポイントを握られてからの逆転勝利。久しぶりの試合のせいか、試合勘が今一つだった。
女子では大坂なおみ(日清食品)の快進撃が止まってしまった。
第4シードのエリナ・スビトリナ(ウクライナ)と対戦し、4-6、2-6で敗れた。
トッププレーヤー達を破り、試合ごとに強さを増してきた大坂なおみ。マッチポイントを3度しのいだが惜しくも逆転はならなかった。
錦織圭2-5、5つあったセットポイントしのぎ逆転勝ち
いやいや、凄い試合だった。
第1セット、2-5、錦織のサーブで15-40とセットポイントを握られる。
ミリアンのサーブ、5-3でもセットポイントがあった。
5-6、錦織のサーブでまた二つ。合計5つのセットポイント。
5つ目はミリアンの攻めたフォアのダウン・ザ・ラインがワイド、ミリアンはチャレンジするが、それは僅かにワイドだった。
5-2、五つもセットポイントを持ちながら落としてしまう。
競技テニス経験者だったら、わかるだろうが、そこからたて直すのは大変だ。
気持ちがダウンし、諦めてしまう。しかしミリアンは諦めず、第2セットを取り返した。
「最初は緊張もあったし、硬さもあったので入りは悪かった。
(ミリアン)はしぶとい選手で簡単なミスがないので、自分から攻めなくてはいけなかった。
それがやっとできたのがファイナル・セットだった。」と錦織は言う。
ファイナル・セット
錦織は最初のサーブをラブでキープ。
すると、第2ゲーム、ミリアンのダブルフォルトで30-40とブレーク・チャンスがきた。
第4ゲームでもブレーク・チャンスがくるがブレークでききない。
第5ゲームでは逆にブレーク・ポイントを握られピンチもあった。
「ファイナル・セットは自分からなるべく攻めようと意識していたので、それが相手にどんどんプレッシャーを与えられたと思う。」
やっと第6ゲームをブレーク。
5-3、3つ目のマッチポイント、ミリアンのストロークがロング、2時間40分をかけ錦織が勝利した。
「1週間半ぐらい寝たきり。咳もまだ出ている。
大変な試合だった。コートには風もあったので」
(風邪とも)戦いながら? こんなダジャレは発しなかったが、踏ん張り切った錦織も凄い。
負けず嫌い魂は健在だった。
3回戦では先週フェデラーに対して三つのマッチポイントをしのいで優勝したデルポトロと対戦する。
「ちょっと長いポイントはキツイ。
まだ咳がなおってないが、体調はやっと戻ってきたので、たぶん大丈夫だと思います。」
楽しみな一戦だ。
大坂なおみ たくさん学んだアメリカシリーズ
大坂なおみと第4シードのエリナ・スビトリナ(ウクライナ)の対戦。二人の対戦成績は2勝2敗。
グランドスラム大会に23回優勝、憧れだったセリーナ・ウイリアムズを1回戦で破った大坂なおみだったが、連戦の疲れには勝てなかった。
それでも最後までファイティング・スピリッツを見せてくれた。
5-4、スビトリナのサービング・フォ・ザ・セットでも大坂はブレーク・バックのチャンスを掴み、ファイトした。
第2セットでも0-5になりそうだった。が1-4と粘る。
1-5では2度マッチポイントを握られるがキープし2-5とした。
スビトリナのサービング・フォ・ザ・マッチでは15-40とブレーク・バックのチャンスを創る。
3度目のマッチポイントでサービス・エース級を決められたがスコア以上の戦いをしていた。
朝のウォーミングアップのときから体の重さと気分の悪さを感じていたらしいが、試合後は、
「自分も頑張ったが、スビトリナがいいプレーをした」と勝者を称える。
インディアンウエルズでは7試合やり、1セット落しただけで優勝。
優勝を祝っている時にマイアミでのセリーナ・ウイリアムズとの対戦が告げられる。
手強い相手、と嫌がるのではなく、憧れのプレーヤーとの対戦実現を喜んだと言う。
「(この2大会で)素晴らしいプレーヤー達と戦え、今までにない貴重な経験が積めた。」
「これが私にとって一番の幸せ」と敗戦ながらも充実感を味わった大坂なおみだ。
(記事 塚越亘/塚越景子 photo/H.Sato/TennisJapan)