12月5日、セルビア共和国のベオグラードにて行われている世界一の国を決める男子国別対抗戦、デビスカップ決勝戦は最終日を迎え、シングルス2試合が行われた。
前日、フランスにダブルスで逆転負けを喫し1-2で王手をかけられていたセルビア、まずエースで世界ランク3位、ノバク・ジョコビッチ(23歳)が、フランスのエース、世界ランク12位のガール・モンフィス(24歳)を6-2 6-2 6-4で一蹴して2-2の対に戻した。優勝決定戦となった最終シングルスでは、セルビアの若手、ビクトル・トロイツキ(24歳)が、フランスのベテラン、ミカエル・ロドラ(30歳)を6-2 6-2 6-3のストレートで下し、見事悲願の初優勝を飾った。
前日、フランスにダブルスで大逆転負けを喫していたセルビアは、王手をかけられ後が無くなっていた。しかし、前日の嫌な雰囲気を吹っ飛ばすかのようなエース、ジョコビッチの快勝。第1、2セットともにモンフィスにブレークを許さず、自身は7個のブレークを奪った。勢いをセルビアに引き戻し、勝負の最終シングルスに命運を託した。
2-2で迎えた勝負の最終シングルス、勝った方が優勝という極限のプレッシャーの中、登場したのはセルビアの若手、トロイツキと、フランスのベテラン、ロドラ。先に発表されていた組み合わせでは、セルビアがヤンコ・ティプサレビッチ(26歳)、フランスがジル・シモン(25歳)の対戦であったが、デビスカップのルールで許されている当日の選手交代で組み合わせが変わった。
大きなプレッシャーがかかる大舞台、ベテランのロドラが経験の差で優位に立つかと思われたが、10月に開催された楽天オープンで錦織圭(20歳)を下し、世界No,1ラファエル・ナダル(24歳)を苦しめるなど、最近の成長が著しいトロイツキがロドラを寄せ付けずストレートでの圧勝。優勝決定戦のプレッシャーを押し退け、セルビアに悲願のデビスカップ初優勝をもたらした。
ツアー大会も終わりセルビアとフランスの選手達にとって今年最後の戦いとなったデビスカップ、セルビアの初優勝という快挙で幕を閉じ、世界のテニスファンに多くの感動を与えた選手達は束の間のオフシーズンに入る。来年1月から新たなシーズンを迎えるテニスのプロツアー、また多くのテニスファンを感動させる戦いを期待したい。
デビスカップ
決勝戦
○セルビア 3-2 ●フランス
12/5 シングルス2試合
○ノバク・ジョコビッチ(セルビア) 6-2 6-2 6-4 ●ガール・モンフィス(フランス)
○ビクトル・トロイツキ(セルビア) 6-2 6-2 6-3 ●ミカエル・ロドラ(フランス)
12/4 ダブルス1試合
○ミカエル・ロドラ/アルノー・クレマン(フランス) 3-6 6-7(3) 6-4 7-5 6-4 ●ネナド・ジモニッチ/ビクトル・トロイツキ(セルビア)
12/3 シングルス2試合
○ガール・モンフィス(フランス) 6-1 7-6(4) 6-0 ●ヤンコ・ティプサレビッチ(セルビア)
○ノバク・ジョコビッチ(セルビア) 6-3 6-1 7-5 ●ジル・シモン(フランス)