パリのローランギャロスで開催中の全仏オープンは、現地時間6日に男子準々決勝2試合を行ない、第2シードのラフェエル・ナダルが、ニコラス・アルマグロを7-6、6-2、6-3で破って順当に準決勝進出。一方第4シードのアンディ・マリーは、第6シードのダビド・フェレールに、4-6、7-6、3-6、2-6で敗れた。


大会前の背中の負傷、そして今大会の2回戦当日に負った腰の痛みなど、体調面に悩まされ続けたマリーの10日間が、終わった。この準決勝までいずれも長時間の試合を戦い、この日も3時間45分のマラソンマッチ。それでもマリーは「僕の今日のプレーは悪くなかった。自分より良いクレーコート選手に敗れただけ」と、潔く負けを認めた。
だが本人が否定しても、マリーの体調が万全で無かったことは、確かだろう。いつもは時速200キロを楽に超えるサーブが、この日は180キロ前後。ファーストサーブ成功率も50%と低く、リターンを得意とするフェレールに10回もブレークを許してしまった。
これで、昨年の全豪オープンから続いていたマリーのグランドスラム連続ベスト4進出は、5大会で途切れることに。一方、クレーを最も得意とするフェレールは、意外なことにこれが全仏初のベスト4進出。多くの選手たちが「練習場でも彼は、全てのボールを“人生最後の一球”のように追う」と舌を巻く努力と根性の男が、30歳にしてキャリア最高のクレーコートシーズンを迎えている。
マリーが敗れ、そして昨日の準々決勝ではノバク・ジョコビッチロジャー・フェデラーがフルセットの大苦戦を強いられる中、クレーの王者ラファエル・ナダルは、圧巻の強さを見せている。“BIG4”と呼ばれる前述の4選手のうち、ここまでセットを落としていないのはナダルだけ。この日は気温が17度と低く、小雨もぱらつくあいにくの天気であったが、全仏6つのタイトルを誇るナダルには、いかなる悪条件も関係ない。
対戦相手のアルマグロにしても、この日はナダル相手に「今大会、ベストと言っても良いパフォーマンス」と納得のプレーを見せた。第1セットはタイブレークで敗れたものの、ほぼ互角の展開。以降も、試合全体を通じて4つのブレークポイントを握るなど、スコア以上の接戦に試合を持ち込むチャンスは何度かあった。だがこの試合のナダルは、サーブが良かった。特に重要な局面になるほど、コース、スピードともに左腕が冴える。4本あったブレークポイントは全てしのぎ、そして奪ったエースは10本。史上最多記録となる全仏7度目の優勝に向け、今のところ、死角は見当たらない。
これでナダルは準決勝で、スペインの同胞フェレールと対戦することになる。両者はこれまで19回対戦し、ナダルが15勝4敗と大きくリード。特にクレーでは、初対戦の2004年以降負けていない。それでもナダルは、「彼(フェレール)のコート上の動きは、世界で一番だ。そしてボールをものすごく早いタイミングで捕らえる」と表情を引き締めた。
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