ITF(国際テニス連盟)は6月14日付けで、各国のテニス協会に、オリンピック出場権獲得選手を通達。その結果、日本からは錦織圭添田豪の2選手が出場権を得たが、伊藤竜馬は現時点では、出場圏外であることがわかった。


オリンピックのテニス競技は、ATPシングルスランキングに基づいた上位56選手が、本戦出場権を得ることができる。ただし、出場規約には各国最大4人の上限となるため、実際には60位代の選手にも出場のチャンスはある。そのような上限枠を考慮したとき、ランキング68位の伊藤は、出場権リストの55番目に入ると思われていた。
日本テニス協会が、ITFに問い合わせたところ、伊藤はカットオフの1番目(57番)であり、その理由や出場権獲得選手のリスト等は、現時点では明確にされなかったという。今後の、五輪出場選手確定への流れは、以下のようになる。
1)6月21日(ロンドン時間)までに、出場権を獲得した選手たちの出場意思を確認
2)6月28日の時点で、出場選手が確定
伊藤はカットオフの一番目のため、出場権を持つ選手の中から出場辞退者が出れば、五輪に出場できる可能性が高い。
なお出場権を獲得した添田は、オリンピックに向けての思いを、次のように語ってくれた。
――五輪出場が正式に決まって、どのような気持ちですか?
添田:正式に決まって落ち着いたというか、ほっとしたというのが正直な気持ちです。決まる前から大丈夫だろうと思ってはいましたが、正式にアナウンスされて、身が引き締まる気持ちです。
――五輪は、添田選手にとって、どういう位置づけですか?
添田:4年に1回しかないし、世界中が注目する大会なので、位置づけ的にはグランドスラムと同じくらいのレベルだと思います。ジョコビッチやナダルらトップ選手たちも「金メダルが欲しい」と公言しているので、そういう意味で僕らもそう思うべきだし、僕個人としても、最高峰の大会と考えています。
――今回のロンドンに限らず、テニスでオリンピックを意識したのは、いつ頃ですか?
添田:(2008年の)北京大会くらいから、何位までいけば五輪に出られるというのは意識していました。ただ、北京の頃のランキングは100位代前半くらいだったので、60位70位という数字は現実的ではなかったし、五輪は近いものではなかったです。
――それにも関わらず、今回は実際に出場権を得られたのは、なぜでしょう?
添田:そうですね……オリンピックに出るという目標をかかげてきましたが、昨年末くらいまでは半信半疑でした。今年の年始にランキングが上がって「行けるかも」と思い、そして五輪に届くランキングを目指して活動してきたなかで、気がついたら出場権が近づいていました。どの大会や特定の試合でどうということではなく、ひたすらやっていたら、いつの間にかここにきたという感じです。