ロンドン郊外で開催中のウィンブルドン選手権は、26日に男女1回戦が行われ、第19シードの錦織圭が、ミハイル・ククシュキンを7-5、6-3、6-4で破り、同大会初の白星を手にした。
※写真は1回戦で勝利した錦織圭、クリックで拡大
錦織は4月下旬に腹筋の肉離れで戦線を離脱して以来、今日が約2カ月ぶりの公式戦。そのためか、試合立ち上がりは感触を確かめるように、やや慎重なプレーだった。だが、ゲームカウント6-5で迎えた相手のサービスゲームで、一気にギアをあげる。ストロークを深く打ち込み圧力をかけ、最後は豪快なフォアのジャンピングボレーを叩き込むと、「Yes!!」と吠えた。
第2セットは、序盤から躍動感みなぎるプレーで攻めた錦織が、早々にブレークに成功。ところがここで、芝に足を取られ足首をひねるアクシデントが発生し、続くゲームをブレークされてしまう。しかしここから粘り強く戦い、相手のミスに乗じて再びリード。第2セットも、終盤の勝負強さで少ないチャンスをものにした。
第3セットに入ると、錦織が得意のフォアでより積極的に攻め始める。5-4とリードして迎えた自身のサービスゲームでは、バックのボレーを決めてガッツポーズ。マッチポイントでは相手のショットが長くなり、その瞬間、錦織はウィンブルドン4度目の挑戦にして、初の勝利をつかみとった。
錦織圭の会見の模様をお伝えする。
――ウィンブルドン初勝利の感想は?
正直にうれしいのと、ほっとした部分あります。2カ月休んでいたので、不安や緊張もありましたが、とりあえず1試合勝てて安心しました。
――実戦を離れていたことの影響は、どのあたりにあったか?
緊張や硬さもあったし、ブレークした直後にブレークバックされたあたりです。でもベストの状態でないながらも、3セットで勝てたことはよかったと思います。
――いい流れのなかで足をひねるアクシデントがあったが、そのときの気持ちは?
いまは大丈夫ですが、試合中は焦りましたね。ひねったときは痛みもあったし、滑りやすいので膝も入ってしまうような状態になりました。腹筋にケガを抱えているなか、ほかのところを痛めるのは怖かったです。
――第2セット以降は、伸び伸びプレーしているように見えたが?
そうですね。第1セットは思い切ったプレーができなかったけれど、2セット目からはしっかり振り切り、いつものプレーができていたと思います。
――第3セットは、相手のサービスゲームでマッチポイントもあったが、あそこを逃しても、自分のサーブで取ればいいと思えたのか?
いや、あのゲームは取りたかったですね。逆のサイドにいくと眩しかったし、風もあったので。
――ウィンブルドンデビューから4年だが、この4年は長かったか?
いや、早かったですね。早く感じています。