グランドスラムの今シーズン3大会目となるウィンブルドン選手権が、25日に開幕。女子全仏オープン優勝者のマリア・シャラポワや、第3シードのアグニエシュカ・ラドワンスカらはいずれもストレートで快勝した。また、今季限りの引退を表明しているキム・クライシュテルスは、第18シードで元世界1位のエレナ・ヤンコビッチを破って、2回戦へと歩みを進めている。


全仏を制し、世界1位にも返り咲いた女王シャラポワが、芝の上でも強さを示した。全仏の後はエキシビジョンに出たのみで、前哨戦を戦わず挑んだウィンブルドン。「初戦はつねにやりにくい。とくに、クレーから芝への適応は難しい」と不安ものぞかせたが、開始直後から5ゲーム連取の猛攻で第1セットを奪い去った。第2セットでも中盤に4ゲーム連取するなど、その攻撃力はひとたび火がつくと止められない。いいプレーをしながら「どちらのセットも、終盤に少しモタモタした」という反省が口をつくあたりも、高いモチベーションの現れだろう。6-2、6-3で快勝し、8年ぶりのウィンブルドンタイトルに向け好スタートを切った。
元世界1位のクライシュテルスは、今年の全豪でも準決勝まで進んだものの、ケガの影響で試合数が少ないため、現在のランキングは47位。そのため今大会ではシードがつかず、初戦でヤンコビッチと当たる厳しいカードになった。
「ヤンコビッチとの対戦を知った時『えっ!?』とも思ったけれど、その一方で『よし!』と楽しみでもあった」というクライシュテルスは、高い集中力で試合に入っていた。出だしから3ゲーム連取で主導権を握ると、第1セット最後のゲームもブレーク。第2セットでは、攻め急いだかミスが増えてブレーク合戦となるが、最後は相手のミスにも助けられ、6-2、6-4でストレート勝ち。大会前に腹筋を痛めていたこともあり、「2セットで終えたことは、大きな意味を持つ」と、1時間22分のスピード勝利を喜んだ。
また、ウィンブルドン5度の優勝を誇るビーナス・ウィリアムズは、エレーナ・ベスニナに1-6、3-6で完敗を喫した。妹のセリーナとともに一時代を築いたかつての女王も、現在32歳。昨年末からは免疫系の病にも悩まされ、日によって体調が大きく異る状況だという。周囲では引退の噂もささやかれ出したが、本人は「オリンピックで、私の姿を見ることになるでしょうね。それに来年も、ここに戻ってくる予定よ」と、現役続行の意思を強調した。