ロンドン郊外で開催中のウィンブルドン選手権は26日に男女1回戦を行い、男子世界2位のラファエル・ナダルや、地元期待のアンディ・マリーらがストレート勝利で、順当に2回戦進出を決めた。
また、第5シードのジョーウィルフリード・ツォンガが、元世界1位のレイトン・ヒューイットと当たる一戦が注目を集めたが、芝で猛威を振るう高速サーブで圧倒したツォンガが、6-3、6-4、6-4で勝利。多くのシード選手が勝利を収めたが、第14シードのフェリシアーノ・ロペスがヤルコ・ニエミネンに、第20シードのバーナード・トミックがワイルドカードのダビド・ゴファンに敗れる波乱もあった。
全仏優勝者のナダルが、第1セットで相手に4ゲーム連取を許し、多くのファンをひやりとさせた。この日の対戦相手は、ナダルと同じく左腕のトマス・ベルッチ。しなやかなフォアの強打を持つ実力者なだけに、「まさか」の冷たい予感がセンターコートを駆け巡った。
「試合の最初は緊張していたし、守備的すぎた。自分が何をすべきか整理できていなかった」
リードされた時の心境をそう明かすナダルだが、ベストで無いながらも分岐点でポイントを取れるのが、真のトップ選手の実力だ。第1セットをタイブレークの末に競り勝つと、以降は地力に勝るナダルのペースに。7-6、6-2、6-3で、初戦の難関をまずは突破した。
イギリス全土の期待を一身に背負い戦うマリーは、元世界4位のニコライ・ダビデンコという厳しい相手と初戦で激突。接戦が予想されたが、蓋を開けてみればサーブとストロークの安定感で大きく勝ったマリーが、6-1、6-1、6-4で完勝した。
前哨戦のクイーンズ大会では初戦敗退し、体調面も心配されていたマリーだが、「初戦でダビデンコと当たると決まったときから、良いプレーをしなくてはならないことは分かっていた。今日は良い感触でボールが打てていた」と、会心の勝利を喜んだ。
今大会のシード選手の中で最年少のトミックは、先の全仏オープンでラッキールーザーながら4回戦進出で注目を集めたゴファンに、6-3、3-6、4-6、4-6で逆転負けを喫した。