ロンドン郊外で開催中のウィンブルドン選手権は、27日に男女1回戦および2回戦を行ない、女子第3シードのアグニエシュカ・ラドワンスカや、今季限りの引退を表明しているキム・クライシュテルスらは快勝で3回戦へ。その一方で、昨年の全米女王のサマンサ・ストーサーや全仏優勝者の李娜、さらには元世界1位のキャロライン・ウォズニアッキら上位陣が相次いで敗れる、波乱の一日となった。


“番狂わせの日”の口火を切ったのは、今大会の初戦で土居美咲を破った、アランチャ・ルスだった。ルスが2回戦で対戦したのは、今大会の第5シードで、先の全仏でもベスト4に入っているストーサー。しかし“大物キラー”として知られる21歳は、「彼女(ストーサー)は、芝はあまり得意ではない。自分にも勝つチャンスはあると思って挑んだ」という。
その読みは当たり、調子の乱高下が激しいストーサーのプレー同様、試合も流れが大きく二転三転する荒れた展開となった。
まず最初に流れをつかんだのは、挑戦者のルス。第1セット開始直後の2ゲームを落とすも、そこから6ゲーム連取で先制した。第2セットは逆に、サーブの調子を上げたストーサーが、相手に1ゲームも与えず取り返す。そして第3セットでは、互いにブレークを繰り返すデッドヒートを繰り広げた末、ルスが3つ目のマッチポイントをものにし、6-2、0-6、6-4で金星をつかみとった。
ルスが作ったこの流れに乗じたのが、ルスと同期のタミア・パツェックだ。前哨戦のイーストボーンを制して勢いに乗るパツェックは、悩める元世界1位のウォズニアッキと初戦で対戦。第1セットを失い、第2セットではふたつのマッチポイントを握られ窮地に陥るが、これを凌ぐとタイブレークで競り勝ち試合をイーブンに戻す。第3セットでも相手に先行されるものの、しぶとく食らいつき、5-7、7-6、6-4の逆転勝利を収めた。
波乱の流れはまだ続く。第11シードの李娜は、52位ながらも高いポテンシャルを秘めるソラナ・シルステアに3-6、4-6で完敗。第13シードのドミニカ・チブルコワも、クララ・ザコパロワに4-6、1-6で破れ2回戦で姿を消した。
なお、第1シードのマリア・シャラポワはこの日、芝を得意とするツベタナ・ピロンコワと対戦。第1セットをタイブレークの末に競り勝ち、第2セットもシャラポワが先にブレークし3-1とリードしたところで、日没のため試合は翌日に順延となった。