漫画やゲームのようにこのショットを打てば確実に決まる「必殺ショット」。というものがあれば誰もがそのショットを身につけたいことでしょう。私たちがアカデミーで指導している、この「ラットショット」はもしかしたらその必殺ショットに近いかもしれません。
ラットショットとは、上記You Tube動画で何度も出てくる、ボールがシュート回転をしてサイドに切れていくショットのことです。動画コメントにもあるように、状況に応じ、特に攻撃の時など、絶対に見逃してはいけない状況判断の時に的確なアドバイスをできるようにAPF ACADEMIESで「ラットショット」とネーミングしました。
ボールが相手から逃げていくようにサイドに切れていくので、対戦相手はそのボールをきちんとラケットのスイートスポットで捕らえることが難しくなる、又はラットショットを打たれた時の軌道で、相手はボールを追う足が止まってしまうこともあります。こうして相手のショットのタイミングや最適な打点をはずすことによって、次のショットに大きなプレッシャーを受けることなくポイントを獲得することが出来るようになるのです。
サービスライン付近で比較的浮いたボールが来たときに、逆クロスフォアハンドトップスピンでネットにアプローチをしても、ボールが浮いていればパッシングショットの餌食になってしまいます。ですから、こういった状況の際に「ラットショット」を用いていくわけです。
ただしこのラットショットは、状況を選んで打つ必要があります。
回り込みダウンザライン、フォアハンドクロスの時に用いれば、ボールにはサイドスピンが掛かっているわけですから、ボールはコートの外ではなく中に入ってきてしまいます。これでは効果的なボールにはなりません。
逆クロスや、アプローチダウンザライン等の正しいシチューエーションの中で打つことによって効果を発揮するのです。
つまり、戦術の中で用いることで効果的なショットとなるので、常に戦術練習と平行して練習していく必要があるでしょう。
7月上旬に選手を引率したITF Junior Thailandでも、このラットショットを効果的に使用している選手がいました。その選手は明らかに完全にこのショットを狙って打って多くのポイント獲得していましたが、対戦相手はどうしてやられているのか気づいてはいないようでした。このラットショットを上手く使っていた選手は、タイのU16のNo1の選手とあとから聞いて、自然に納得出来たのでした。
ボールは一生懸命打っているんだけど、なかなか1本が決まらなくて困っている人にとってこの「ラットショット」を身につけることで、ポイントを取るパターンが増えることは間違いないです。この「ラットショット」、勝つためのキーショットとも言えるのではないでしょうか。