個性に応じた指導を

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昨日紹介した今回の遠征で引率しているタイ人選手のPalm君。今日のU10本戦2Rも韓国の第2シード選手に対して、フォアハンドのヘビーボールを軸に8-5で撃破。7?3から競ったゲームを2つ落とし、7?5のサービスゲーム。1番緊張する場面で、サービスからの3本目をベースライン上からフォアハンドウイナー。競った場面、緊張する場面であれだけラケットを振る事ができるというのは手前味噌ながら素晴らしい。このPalm君はピントがずれた写真からも分かるのですが、体の使い方と地面から得た力をボールに伝えるのが非常にうまい。打ったボールは「これはアウトでしょ」と思った軌道からベースライン付近でズドンと落ちるので相手は急激な縦のボールの動きについていくことができずにミスを重ねてしまいます。教えて必ず出来るといったものではないので、このあたりの打ち方は天性のものかもしれません。
また今日U12の本戦2Rを戦った松田康希君は体がひと回り以上大きな選手に対して3?8で負けはしましたが、相手のバランスが崩れた所や、相手がロブで局面を戻そうとした時にすかさずネットを取りボレーやドライブボレーでポイントを重ねることが出来ました。私達はこの動きを「スティール」と表現しています。体が小さくベースライン上で戦っているだけではポイントを取る為の打開策が無い場合、ネットをからめてポイントを取るということは非常に大切な戦術になります。しかし単純にどんなボールでもネットを取るだけではまだリーチが短い上に、ボレーの精度も低いのでリスクが高くなってしまう。ですから相手のバランスをよく見て、相手のバランスが崩れた瞬間を見極めボレーが決まる確率の高いところでネットに出る必要があります。このスティールは一朝一夕で出来るものでもありません。練習の中で何度も失敗しながらも繰り返し続けて来た取り組みが、少しずつ花を開き始めました。
このまったく違う展開を得意としている2人ですが、基本的には以前紹介した「守備性攻撃型テニス」「負けないテニス」を軸に、2人の個性に会わせた指導を行うようにしています。

この韓国のコートは世界基準のコートでボールが良く跳ね、スピードが比較的遅いコートです。日本から来た子ども達にとっては、そのボールの跳ね方や相手のプレーにとまどいすぐに順応することはよっぽど経験が無い限り難しいのが事実。
実際、明日の本戦3Rに駒を進めた日本チームの男子選手はU12のシングルスで1名。U10で1名(Palm)のみです。
韓国の選手が得意とする軌道の高いボールを「しこられた」と表現しているようでは、勝つチャンスはほぼ無いでしょう。彼らにとっては、これがこのコートにおけるベースのボールであり、戦術の1つです。このボールへの打開策をもっているか否かが勝負の分かれ目。その現実に向き合い、勝つ為のショットの練習をココですることが、次回の勝利へのキーポイントになるでしょう。


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