グランドスラムの準決勝で、ロジャー・フェデラーとラファエル・ナダルがいないのは、2004年のローランギャロス以来のことで、全米オープンでは2003年以来の珍事となった。
9日、全米準決勝で、ディフェンディングチャンピオンで第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア、2位)は、第4シードのダビド・フェレール(スペイン、5位)を、2-6、6-1、6-4、6-2で下して、3年連続4回目の決勝進出を果たした。
スーパーサタデーに始まった準決勝第2試合、強風が吹き荒れるため集中力に欠けるジョコビッチにつけこんで、フェレールがツーブレークに成功し、5-2とリードを奪った。だが17時過ぎに、大雨予報が出ていたため試合は中断となり、翌日順延となった。
日曜日に快晴のもと、試合が再開され第1セットは、フェレールが先取した。しかし、第2セット以降、前日とは別人のように落ち着いたプレーを見せたジョコビッチが、第2セット第2、4ゲームをブレークして試合の主導権を握った。
時折、見ごたえのあるロングラリーが見られたが、フェレールらしくない早いミスが増え始め、第2セットから3セット連取したジョコビッチが逆転勝ちを収めた。ジョコビッチは、尻上がりにサーブの調子が良くなり、ファーストサーブのポイント獲得率は、第3セット89%、第4セット92%に達した。さらにフォアの調子も良く、13本のウィナーを決めた。
「前日はコート上でリズムをつかめなかったので、正直今日でよかった。明日(の決勝では)、どっちが勝ってもおかしくないんじゃないかな。でも勝ちに行くよ」(ジョコビッチ)
準決勝第1試合では、第3シードのアンディ・マリー(イギリス、4位)が、第6シードのトマーシュ・ベルディハ(チェコ、7位)を5-7、6-2、6-1、7-6(7)で倒し、2008年以来2回目の決勝進出を果たした。
「1年に2度もグランドスラムの決勝に進むなんて、今までなかったから、ベストイヤーと言えるね。決勝では110%をそそぎ込んで、決勝をうまく戦いたい」(マリー)
男子決勝は、マリー対ジョコビッチとなり、マリーが勝てば初優勝、ジョコビッチが勝てば2連覇となる。
全米オープン
男子シングルス
準決勝
○ノバク・ジョコビッチ(セルビア)[2] 5-7 6-2 6-1 7-6(7) ●ダビド・フェレール(スペイン)[4]
○アンディ・マリー(英国)[3] 5-7 6-2 6-1 7-6(7) ●トマーシュ・ベルディハ(チェコ)[6]
準々決勝
○ダビド・フェレール(スペイン)[4] 6-3 6-7(5) 2-6 6-3 7-6(4) ●ヤンコ・ティプサレビッチ(セルビア)[8]
○トマーシュ・ベルディハ(チェコ)[6] 7-6(1) 6-4 3-6 6-3 ●ロジャー・フェデラー(スイス)[1]
○アンディ・マリー(英国)[3] 3-6 7-6(4) 6-2 6-0 ●マリン・チリッチ(クロアチア)[12]
○ノバク・ジョコビッチ(セルビア)[2] 6-2 7-6(3) 6-4 ●フアンマルティン・デルポトロ(アルゼンチン)[7]
[ ]内の数字はシード順位