クルム伊達公子(テニス)

クルム伊達公子(テニス)
愛知県豊田市で開催されているダンロップ・ワールド・チャレンジ2012は、24日に男女シングルスの準決勝が行われ、第4シードのクルム伊達公子がサマンサ・マリーを、6-3、6-2で破り、2年連続の決勝進出を決めた。

「これぞ、クルム伊達」という一戦だった。立ち上がり、相手が試合への入り方に手間取っていると見るや、得意のライジングで攻め立て怒とうの5ゲーム連取。開き直ったマリーが攻めに転じると、今度は焦らずラリーを続けながら、じっくりと勝機を待つ。先日から続いている臀部の張りに悩まされながらも、「主導権を握っているときは攻め、逆に守るときは、走る覚悟はできていた」というメリハリの効いたテニスで、危なげなく勝利を手にした。

今年のクルム伊達は、ケガに悩まされ思うように試合数をこなすことができなかった。そのことが試合勘の欠如につながり、迷いも生まれていたという。しかしこのシーズン終盤に来て、勝利を重ねることで自信が生まれ、「30-30などの局面でも、攻め方を迷わなくなった」という。勝負強さを取り戻したクルム伊達が、5月の岐阜大会以来の頂点を目指す。

そのクルム伊達が優勝かけて対戦するのは、スイスのステファニー・ボーゲル。今大会好調のボーゲルは、昨年優勝者のタマリネ・タナスガーンを、早いテンポのストロークで、6-3、6-3と圧倒した。

クルム伊達とボーゲルは、1ヶ月前のリモージュ(フランス)で対戦し、その時はフルセットでボーゲルが勝利している。ライジングでボールを捉え、早いリズムの打ち合いを好む両者の対戦は、瞬きする間も惜しい程の、スリリングな好ゲームとなるはずだ。

※写真は、2年連続となる決勝進出を決めたクルム伊達公子