守屋宏紀(テニス)

守屋宏紀(テニス)
愛知県豊田市で開催されているダンロップ・ワールド・チャレンジ2012は、24日に男女シングルス準決勝が行われ、杉田祐一との日本人対決を、7-6(5)、6-2で制した守屋宏紀が、決勝進出を決めた。

勝利の瞬間も、そして試合後の表情や口調も、いつもと変わらずクールだった。自身初となるATPチャレンジャー決勝進出を掛けた、大一番。しかも対戦相手は、先週の慶応チャレンジャーで破れている杉田である。だが、今季急成長を遂げた22歳に、特別な感傷や気負いはない。「日本人が相手でも、意識することはありません。速いコートだしお互い似たテニスなので、自分の持ち味である展開力を生かすことを意識していました」と言う通り、鋭角なクロスやストレートを織りまぜ、ネットプレーもそつなくこなし勝利をつかんだ。

杉田佑一(テニス)
第1セットは、もつれにもつれた。最初の数ゲームは、いずれもデュースを繰り返す長いゲーム。先に守屋がブレークし5-3と抜け出すも、そこから杉田が2つのブレークを含む3ゲーム連取。しかし、この逆境でブレークバックし追いついた守屋が、タイブレークでも良い流れを持続し第1セットを競り勝った。

結果としては、この第1セットが試合を決定づけた。第2セットは、速いサーフェスを生かした守屋の展開力が杉田のフットワークを上回る。また杉田は、第2セットだけで4つのダブルフォルトをおかすなど、サーブの安定感に欠いた。

もう1つの準決勝では、ノーシードながらも安定したストロークで勝ち進んできたミハエル・プリシェスニーが、第7シードのジョン・ミルマンを、7-6(3)、6-2で破って決勝へ。守屋はプリシェスニーと初対戦となるが、「今大会で見て、どんな選手なのかは頭に入っている」と表情は涼しい。「ストロークの良い選手だが、特別なことをするのではなく、自分のテニスをしっかりやるだけ」と、あくまで自然体で初優勝を目指す。

※写真:上段、決勝進出を決めた守屋
下段:準決勝で守屋にやぶれた杉田