基礎を学ぶ、基本を身につけるために球出しをよく活用しますが、僕も中学校2年生までは球出し中心の練習で、父親の球出しを毎日約4000球受けていました。反復につぐ反復。当時はそれ以外の練習方法が僕にはありませんでした。
ここ最近ではプロ選手も球出しを積極的に活用するようになりました。フォームを固める反復練習だけではなく、身体の使い方や、戦術を理解する時などのイメージ作りにも球出しを活用する狙いがあります。
戦術の練習および、戦術に必要な技術の練習などの球出しを行う場合は、どういう状況で、どういう身体の使い方で、そしてどのタイミングで、どういうツールを選択し、打つ必要があるのかをコーチ、選手共々共通認識をして同じ方向を目指さなければ球出しの意味がありません。
alloutのプログラムは、映像を使って、最終的どこを目指しているのかを明確にして理解を深め、選手に要求します。今回のZERO1では認識力の高いコーチに恵まれましたが、毎年そういうわけにもいきません。ここでどのような球出しが理想なのかを下記に記載します。
もちろん理想です。
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球出しが高くない。
こちらは経験の浅いコーチに多いボールが高いこと。高いボールを打つことは、ビギナー選手からしたら予想以上に難しく、バウンドのタイミングをはかるのも大変に難しいのです。また意図的ではなくスピンがかかってしまうボールはビギナーでなくても難しいのです。まずは膝から腰のあたり、意図的に低いボールを出しましょう。
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球出しのボールのスピードが速すぎない。
結構アドバンス向けのコーチに多いのですが、’’難しいボールだしが良い’’みたいな傾向があります。
選手時代にクラブのオープニングイベントに参加した時にデモンストレーションをやったのですが、速いサーフェスでそしてカーペットのコート。そして癖のあるサイドスピンがかかって滑ってくる、しかも左利き。取りづらいったらありゃしない。涼しい顔して!?返しましたが、まずジュニアは対応できないだろうな思いながら受けていました。狙いが違う。
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球出しのコースが難しくない
若くてエネルギーあふれるコーチ、アドバンスジュニアの保護者に多いのですが、球出しが「ライブボールに近いのが良い」という考え。球出しは球出しです。フォームや動きの型を作り実践に備える以外ありません。
ライブボールとは、実践に置かれた状況にある、相手の動作、打点、心理、特性色々なものが含まれます。それでも実践にはおよびません。その為にもボール出しで表現するのはとても難しいです。あくまでも型です。特にフォームを固めたい時など難しすぎるボール出しだと球出しの狙いから外れてしまいます。
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球出しの出すタイミングが速すぎない
こちらも経験豊富なコーチに多いのですが、ボールを出すテンポが速すぎること。ひとつひとつ正確に完了することが重要であるのに、次の動作を気にしないといけないので正確な動きができてません。
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球出しの出すタイミングが遅すぎない
かといって遅すぎるのも問題です。反復練習などワンテンポが必要ない時もあります。球出しの意図を理解する必要があります。
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最後に
高さ、距離、スピード、沢山の要素が必要なボール出しって実はとても難しいのですよ。?
沢山の成功体験をさせること。これが球出しの意義です。