「deception・欺く・あざむく」。ジャッジや普段の生活のなかでは勿論やってはならないことですが、プレーの中での相手との駆け引きなどではとても重要な能力のひとつです。
今回のキャンプでは「repeatability ・再現性」、「trajectories・軌道」「steal・戦術」そして最後の「deception・欺く」、この4つの能力のを併せ持つ選手を目指すようにプログラムを体系化してきました。
試合の中でそうそう簡単にエースを奪うことはできません。
クロスに打つと見せかけてストレート
ストレート打つと見せかけてクロス
クロス打つと見せかけてクロス
ストレート打つと見せかけてストレート
とエースを取るためには(ミスさせるためにも)相手との間合いをずらして、沢山のdeceptionの種を予め蒔いておく必要があります。
そうすることによって、
自分のボールが、だんだんと決まるようになる。そして相手がミスしてくれるようになる。
そうすることができないと、
自分のボールが、だんだんと決まらなくなる。そして相手がミスしてくれなくなる。
中盤から終盤にはとても大きな差がうまれます。
もちろん、奇策を狙いすぎたり、やり過ぎてしまうなど、策におぼれてしまわないようにしないといけませんが、大体の場合は感覚的にしか把握しておらず、使いどころを理解できていない、最終的に追い込まれ時に「必ず」やってしまう。そんな簡単に読まれてしまうパターンが多いです。
凄いボールを打つんだけど勝てない、凄い綺麗なテニスするんだけど勝てない、練習は強いんだけど勝てない。一度deceptionについてじっくり考えることをお薦めします。
ちなみにプロ選手の試合のビデオを見ていてdeceptionの回数の多い選手は錦織選手でした。
いずれにしても試合でいきなしはできません。いわゆる「センス」で片付けられてしまいがちな能力ですが、まったく関係ありません。どの場面でやるかというのを自分で決まりごとを作る。その決まりごとのシュミレーションをおこない反復する。
やることを明確にして練習の時から取り組めば誰でも取り入れることのできる能力であります。