頂点に昇り詰めるまで・・・其の参 身の丈を越えない努力

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コートに立つ前に、過去のテニスを分析、現在(2004年当時)のテニスを分析後、4年後のテニスを予想。「スピード・パワー・オールラウンド」これをキーポイントとした。当時のプレイスタイルは、ボールを拾いまくり、ミスをさせることでしかポイントを確実に取ることができなかった。

将来を考えれば、「攻撃的なスピードのあるフォアハンド」が必要となってくる。当時のフォアハンドではコントロール重視のみで「攻撃力」に限界があった。

そこで、ウエスタングリップをセミウエスタンに変更する提案をした。現在持っている実力に、積み重ねていくというよりも、「全てを捨て去る」ということを選択する以外の方法は見つからなかった。

「僕も今のフォアハンドに限界を感じていました。グリップチェンジに挑戦します。」ものの数秒もかかることなく返された言葉であった。

早速コートに入りボールを打つ。しかし、バックフェンスに直撃・・・「元気の良い初心者」それが彼を比喩するには最高の言葉であった。

本当に良かったのだろうか?練習を始めて30分で思った言葉であった。しかし、当の本人は何やら楽しそうな顔つき。

「大丈夫か?不安はないか?」・・・思わず聞いてしまった。

「なんか楽しい!」・・・屈託の無い顔で、切り替えされる。

ボールは相変わらず、意気の良いままフェンス越え。

練習が終わり、「コーチ!コートを出てからも何かした方がいいよね!」と質問が来る。

「素振りだな・・・」

「どれくらい?」

「毎日1000回を鏡の前で、しかも、実戦をイメージして」・・・冗談でしょ?と来ることを予想していたが、

「了解!」と言ったきり、そのまま大きな鏡を前にして素振りが始まった。

やれやれと思い、別の仕事にをするためにデスクに戻った。40分を経過しただろうか?何気なしに鏡の前を通りかかった。すると、彼は素振りを続けていた。

「何回振った?」

「1000回越えた・・・」・・・何食わぬ顔で一言。

彼は決して狂気に満ちていたわけでもない。ただ単純にテニスが好きなんだな・・・と自然に感じさせてくれる態度であった。

決して身の丈を越える努力をしていない様子が伺えたとき、「これは、やり通すな・・・」と確信した瞬間であった。

コメント

  1. masora さん : 2008.10.02

    とても楽しく拝見させていただいています。
    お二人のテニスに対する情熱と純粋な想いが伝わってきて、
    読んでいて気持ちが熱くなりました。

  2. chanel さん : 2012.02.02

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