隠し味・・・

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「料理は隠し味」ということをよく聞く。甘い料理にお塩をひとふり・・・これは、味を引き締めたり旨みを出したりするものであると聞く。これは、料理的には出来上がっており、別に入れても入れなくてもよいものだと思うが、入れることによりその人の料理に対するこだわりや、料理を人にもてなすための姿勢であり、その人の「粋」だと思う。

また、隠し味は目分量であっても、長年の経験を経て、「一摘み」の感覚を覚え、各々によってその一摘みに違いがあると思う。

テニスの試合もそれに近いものがあると思う。相手の選手に対するギラギラした目つき、雰囲気、最後まで絶対にボールを追い続ける。常に自分を鼓舞し迫力を出す・・・など

このような態度が、相手に見えない「プレッシャー」を与えることと思う。

普段の練習で、「自分のできる範囲の中でしっかりやっている。」これは素晴らしいことだと思う。しかし、スポーツをするということは、単に楽しいだけではなく、そのスポーツに挑戦することに「楽しみ」を感じることも重要と思う。

だからこそ、「自分の範囲の中でできることはしっかりやる。」これは当たり前であり、限界を超えようと努力し続けることに「楽しみ」を感じることも、「楽しみ」の一つの要素になってくると思う。

したがって、目の前の壁に必死になって挑戦する練習をしようとすると、その「隠し味」の出し方が自分なりにわかってくると思う。

料理もテニスも指導者に教わることで上達の速度があがり、モダンな状況を理解しながら身につけることができると思う。指導者にとって、このような指導はあたり前のこととして肝に銘じている。

しかし、「隠し味」を学ぶのは本人である。ここまで丁寧に指導してしまうと、本人の良さが消えてしまうと思う。我々指導者が目指すものは、指導者のコピーを作るのではない。

だからこそ普段の練習から、限界を作らずに自分に挑戦することが、「隠し味」を学ぶ唯一の手掛かりだと思う。

テニスは「粋」なスポーツなのだから・・・

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