練習でのひとコマ。国枝選手になにやら話しかけている様子・・・。最近、小生宛のメールに、「車いす選手のコーチを始めました」とか、「車いす選手を教えたいのですが・・・」、「どのように指導すればよいのでしょうか?」という連絡が多くなりました。小生にとっては、今でこそ当たり前になっていますが、はじめた当時はコーチをすること以前に、「人としてどうなの?」と疑いたくなるほど醜い自分が存在していました。それは・・・
いつか、このブログで紹介しようと思う人がいます。小生が初めて、指導した車いす選手は「大森康克」さんという、バルセロナとアトランタパラリンピックの日本代表選手で当時の日本の第一人者でした。大森さんからの誘いがあり一度は断りましたが、最終的に大森さんに押し切られたという形でした。
なぜ断ったかというと、単に「車いすテニス」を知らなかったからです。コーチというよりも、ヒッティングという形で始めました。レッスンになると、大森さんに非常なまでの気の使い方をしていました。ラケットバッグを持ったり、ありとあらゆるドアの開け閉めなど、やってあげられることは全て手伝っていました。真面目にボールを打っていたので、大森さんのテニスも少し変化がありました。
でも、大森さんにとっては、テニス以外の部分で不満があったようで、小生の過剰な手伝いに対し、ある日、大森さんはこのように言いました。「丸山コーチは、私にとってコーチなのか、それとも介護者なのか、どちらですか?」、小生は、「コーチです」と答えました。それに対し、「それならば、私は階段を上がることができない以外は、全て自分でできます」と一喝!本当に目が覚めました。大森さんのことを、人として見ておらず、障害者としてみていた自分が「偽善者」だったことに気づきました。それからは、常識的な範囲で、手を貸すということはありますが、本当に困っている時にしか手伝わないようになりました。
正直、疲れなくなりました。自然体になれたのでしょうね。TTCに三笠宮寛仁親王殿下が御成りになられた時に、このようなお話をなされました。「ヴォランティアとは、身の丈を超えないことが大切なこと」。これは、現在の小生にとっての全ての基本となっています。だからといってチャレンジしないわけではありません。チャレンジの方法をどのようにするかということです。先週から、斎田選手と国枝選手は、週に2回、TTCの選手育成コースのジュニアに混ざり練習を始めました。子供のころに学ぶことは「自然体」となって将来に繫がります。
私が今皆さんに伝えたいことは、「物質的なバリアフリー」ではなく、「心のバリアフリー」を常に持っていてほしいということです。これがあれば、身の丈を超えることもありませんし、迷いなどないと思います。車いすテニスを指導して今年で9年目です。来年の10年目の年に「北京パラリンピック」があります。夢を叶えたい一心で、来年の北京に全身全霊をかけていきます。
コメント
丸コーチ、こんにちは!
身の丈を超えずに、心のバリアフリーを、とても考えさせられました。どうしても過剰に対応してしまう自分がどこかにいたような気がします。
アメリカに住んでいたときに、同じクラスに目の不自由なクラスメートがいて、盲導犬と一緒に最前列でみんなと「Hi!Hello!」とごく自然に授業を受けてたことを思い出しました。
残念ながら、日本では経験したことのない光景でした。
慎吾君ともまたJOPの試合でも会えるのを楽しみにしてます。
お互い小板橋君とは当たらないことを祈りつつ・・・(笑)。
こんにちは、丸山さん。
貴重な情報ありがとうございます。ひとつお願いがあります。
3、4行打ったら、1行開けてくれませんか。長いとどこで休んでよいのやら分かりません。よろしくお願いします。
まーさん、ko-taro-さん、ご覧いただきありがとうございます。感謝いたします。たしかに読み難さがあります。今後気をつけます。ご指導ありがとうございました。
初めまして。
最近丸山さんのブログを発見し、わくわくしながら読んでいます。
テニスのことはあんまりわかりませんし、車いすテニスはまだ見た事もありません。
なんだか、ハッとさせられる丸山さんのブログ面白くて好きです。
国枝さんと、丸山コーチのブログを見て、来年の北九州の試合に行く事を楽しみに、これからもブログ楽しませていただきます。
更新大変だと思いますが、頑張ってください!!