アンディ・マリー(テニス)

アンディ・マリー(テニス)
第3シードのアンディ・マリー(イギリス、4位)が、全米オープン男子決勝で、ディフェンディングチャンピオンで第2シードのノバク・ジョコビッチ(セルビア、2位)を、7-6(10)、7-5、2-6、3-6、6-2で破り、初優勝を飾ると共に、悲願のグランドスラムタイトルをついに獲得した。

2人の対戦成績は、ジョコビッチの8勝7敗で、グランドスラムの決勝では、2011年の全豪オープンで対戦したことがあり、この時はジョコビッチがストレートで勝利を収め優勝している。ちなみに今シーズンは2勝2敗だ。

男子決勝は、5年連続で月曜日に開催された。決勝で2位と3位が戦うのは、全米オープンでは1992年以来4度目のことだが、今回両者が実力を出し切る素晴らしい試合となった。

冷たい強風が吹く中、お互い相手の出方をうかがうような立ち上がりとなった。第1セット第1ゲームを、ジョコビッチのミスで、マリーがサービスブレークに成功する。しかし、第2ゲームをすぐにジョコビッチがブレークバック。その後、お互いワンブレークでタイブレークに突入するが、マリーが5本目のセットポイントで、フォアの逆クロスを強打し、
ジョコビッチがバックをミス。マリーがセットを先取した。

第2セットは、ジョコビッチの集中が落ちてミスが出て、マリーが2度ブレークをし、一気に4-0とリードを広げた。しかし、リードしたマリーがやや消極的になるところを、ジョコビッチが見逃さず2度ブレークバックしてイーブンとした。だが、第12ゲームで、ミスを連続して、マリーがブレークに成功し第2セットも奪った。

両者とも永遠に打ち合うかのようなラリーをし、コート中を駆け回り、信じられないようなコートカバーリングをして、世界最高峰のプレーをニューヨーカーに披露した。

2セットダウンになっても、ジョコビッチは持ち前の闘志であきらめず、第3セットも第4セットも2度ブレークし2セットオールとした。

ファイナルセット第1ゲームで、再びジョコビッチのミスが増え始め、マリーがブレークに成功すると再び勢いを取り戻し、第3ゲームもブレーク。第4ゲームでジョコビッチにブレークバックを許すものの、再び第7ゲームをブレークして、4時間54分の5セットマッチにピリオドを打った。2人のテニスは互角だったが、勝利への執念に勝ったマリーが全米オープン初優勝を勝ち取った。

「試合に負ければ、もちろんがっかりします。アンディは、誰よりもこのグランドスラムで優勝するのにふさわしい。彼におめでとうと言いたい」(ジョコビッチ)

イギリス人の優勝は、1936年のフレッド・ペリー以来だ。

「ついに成し遂げることができて、本当に嬉しい。信じられないようなタフな試合でした。最後に勝てて本当によかった。ほっとしているというのが、今の自分の気持ちを一番表現していると思います」(マリー)

マリーは、5度目のグランドスラム決勝でのグランドスラム初優勝となったが、これは奇しくも今シーズンからツアーコーチに就いてもらっているイワン・レンドルと同じ道のりとなった。ロッカールームで、レンドルは、「君を誇りに思う。よくやった」と労い、ハグをして喜びを分かち合った。

ついにニューヨークでグランドスラム制覇をしたマリーは、ロジャー・フェデラー、ジョコビッチ、ラファエル・ナダルと、本当の意味で“ビッグ4”に名を連ねることとなった。

※自身初となる全米オープン優勝、グランドスラム初制覇を果たしたアンディ・マリー