16日、東京都江東区の有明コロシアムで、デビスカップ・ワールドグループ・プレーオフ3日目が行われた。第1試合は、14日のシングルス2を肩の違和感により欠場した世界ランク16位の錦織圭(22歳)が、同98位のディデュ・セラ(27歳)と対戦し、6-3、3-6、4-6、6-4、7-5の4時間31分の戦いをものにして、対戦成績を2勝2敗のイーブンに戻した。
第1セット、錦織は第4ゲームをブレークしそのまま押し切って、6-3で先取した。しかし第2セットに入ると、セラのストロークから放たれるスライスにタイミングを外され、思うようにショットをコントロールできず、ミスが目立ちはじめた。それと同時にサーブの入りも悪くなり、第4ゲームを2つのダブルフォルトとフォアハンドのミスで落としてしまったが、すぐにブレークバックに成功し、このまま勢いに乗ると思われたが、再度第6ゲームでブレークを許し、このセットをセラに取られてしまう。
つづく第3セット、錦織3-2リードの第5ゲームが終わった時点で、第2セット後半から、何回か屈伸を行っていた錦織がインジュリータイムを取った。「暑さと緊張からふくらはぎが初めてつった」と錦織。その後、動きに精彩を欠き、何とかセラとの打ち合いに食らいついていったが、第9ゲームをブレークされ、セラにセットを連取される。
落とすと日本の敗退が決定する第4セット序盤、第3、第5ゲームと錦織はサービスゲームをデュースに持ち込まれるが、コースを突いたサーブで相手の攻撃を許さずキープし、逆に第10ゲームをブレークし、6-4で取ってセットカウント2-2とした。
錦織は次の添田につなげるために、セラはイスラエルの勝利のために、気力でぶつかったファイナルセットは、第4ゲームをデュースに持ち込み、ブレークに成功した錦織だったが、直後の第5ゲームをセラにブレークバックされ、一進一退の攻防が続いた。
そして第12ゲーム、セラのサービスゲーム、デュースに持ち込んだ錦織は、オーバーコールでアドバンテージを奪い、最後はセラのセカンドサーブをフォアで叩き込んで勝利をものにし、第2試合の添田に日本の勝利を託した。
日本代表チームの勝利をかけて、世界ランク53位の添田豪(28歳)は、同223位のアルミ・ワイントラウブ(25歳)と対戦した。
第1セット、ワイントラウブのサーブとバックハンドのキレに押されて、防戦に回ってしまった添田は、3-6で落としてしまう。
この悪い流れを引き戻そうと、添田は丁寧にストロークでコーナーを突いて攻めるが、ワイントラウブも厳しいコースを突き、また、要所で200km/hを超えるビッグサーブを打ち込んで、添田に付け入る隙を与えない。タイブレークにもつれ込んだ第2セットもワイントラウブに取られてしまう。
崖っぷちに立った添田は、第3セットの第3ゲームにブレークし、反撃ののろしを上げてこのセットをものにした。
この第3セットが終わったとき、ワイントラウブが右足を痛めて、第4ゲームの第1ゲーム、ワイントラウブの動き、そして、サーブに明らかな変化が見られた。添田が追い込んでいブレークポイントを握るが、なかなかものにできないでデュースを繰り返していると、雨が降り出し、有明の屋根が閉まることになった。
この間20分強。戻ってきたワイントラウブは息を吹き返し、動き、そしてサーブのスピードが戻っていた。
会場の声援に後押しされながら、添田は踏ん張りを見せるが、第4ゲームをブレークされると、流れを引き戻すことはできず、第9ゲーム、最後はワイントラウブにセンターにサーブを打ち込まれ、返すことができずに3-6、6-7(5)、6-4、3-6で敗戦した。
この3日間の日本代表チームの通算成績は、2勝3敗でイスラエルに敗退しワールドグループ残留はならなかった。
デビスカップ・ワールドグループ・プレーオフ
3日目
シングルス1
○錦織圭 6-3 3-6 4-6 6-4 7-5 ●デュディ・セラ
シングルス2
○アミル・ワイントラウブ 6-3 7-6(5) 4-6 6-3 ●添田豪
2日目
ダブルス
○ジョナサン・エルリック/アンディ・ラム 5-7 6-3 6-3 6-1 ●伊藤竜馬/杉田祐一
1日目
シングルス1
○添田豪 6-2 6-4 3-6 6-4 ●デュディ・セラ
シングルス2
○アミル・ワイントラウブ 6-3 6-2 6-4 ●伊藤竜馬
※写真はデビスカップ3日目のシングルスで勝利した錦織圭(上段)
3日目のシングルスでワイントラウブに惜敗した添田豪(下段)