有明コロシアムおよび有明テニスの森公園コートで開催中の東レPPOテニスは、26日にシングルス3回戦が行われ、昨年優勝者のアグニエシュカ・ラドワンスカや、今季の全仏優勝者のマリア・シャラポワら上位勢がベスト8へ進出。第5シードのアンゲリク・ケルバーや、第6シードのサラ・エラニも勝利を収めたが、第7シードのリー・ナは、第10シードのキャロライン・ウォズニアッキに敗れた。また第1シードとして同大会初優勝を目指すビクトリア・アザレンカは、試合中に目眩を覚えるアクシデントに襲われながらも、全米ベスト8のロベルタ・ビンチを6-4、6-2で退けた。
ディフェンディングチャンピオンのアグニエシュカ・ラドワンスカが、虎視眈々と2連覇へとにじり寄っている。1回戦免除で挑んだ2回戦では、いきなり元世界1位のエレナ・ヤンコビッチと当たるタフなドロー。だがそこをストレートで切り抜けると、3回戦では予選上がりのジェミー・ハンプトンという、比較的楽な試合が待っていた。
もちろん、予選を勝ち上がってきた相手には勢いがある。現にこの日の試合でも、ハンプトンの思い切りの良いプレーに、いずれのセットでもブレークを奪われた。だが、相手の勢いや勝ち気をいなすのは、ラドワンスカのお手の物だ。固い守備と緩急をつけたストロークで、追いすがる相手を華麗に振り切ってみせた。全米オープンのころは肩の痛みにも悩まされたが、「今は全く問題ない」と好調宣言。準々決勝では、公私共に熟知するウォズニアッキとの親友対決に挑む。
世界1位のアザレンカの初優勝に、暗雲が立ち込めた。第1セットの途中で目眩を覚え、コートチェンジ時に医師を呼ぶ緊急事態。「コート上では、頭がぐるぐる回っているような状態」のままプレーを続け、「とにかく、ポイントを早く終わらせることに集中した」。どうやって勝ったかも良く覚えておらず、「勝ててラッキーだった」という状況だ。次の相手は、強豪ケルバー。女王の体調の回復具合が、まずは大きな焦点になる。
その他では、前日の試合では3時間9分の長丁場を戦ったマリア・シャラポワが、第2セットは競りながらもルーシー・サファロバを6-2、7-6で退け2年連続のベスト8。27日の準々決勝では、ドミニカ・チブルコバを破ったサマンサ・ストーサーと対戦する。
※写真は、東レPPOテニスシングルス3回戦で勝利したアグニエシュカ・ラドワンスカ
東レPPOテニス
シングルス
3回戦
○ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)[1] 6-4 6-2 ●ロベルタ・ビンチ(イタリア)[13]
○アンゲリク・ケルバー(ドイツ)[5] 6-1 6-1 ●ウルシュラ・ラドワンスカ(ポーランド)
○アグニエシュカ・ラドワンスカ(ポーランド)[3] 6-4 6-3 ●ジェミー・ハンプトン(米国)
○キャロライン・ウォズニアッキ(オランダ)[10] 4-6 6-3 6-4 ●リー・ナ(中国)[7]
○サラ・エラニ(イタリア)[6] 3-6 6-2 6-2 ●マリオン・バルトリ(フランス)[9]
○ナディア・ペトロバ(ロシア)[17] 7-6(2) 6-7(1) 6-4 ●ペトラ・マルティッチ(クロアチア)
○サマンサ・ストーサー(オーストラリア)[8] 6-4 7-5 ●ドミニカ・チブルコバ(スロバキア)[12]
○マリア・シャラポワ(ロシア)[2] 6-2 7-6(5)●ルーシー・サファロバ(チェコ)[15]