クルム伊達公子(テニス)

クルム伊達公子(テニス)愛知県豊田市で開催されているダンロップ・ワールド・チャレンジ2012は、23日に女子シングルス準々決勝が行われ、第4シードのクルム伊達公子が、第6シードの奈良くるみを、7-5、6-3で破り準決勝へ進出した。
 
奈良の持ち味は、試合の中で対戦相手に適応しつつ、ゲームを組み立てる戦略性。それだけに、立ち上がりは相手のプレーを見て受け身にまわる傾向がある。そのすきを、試合巧者のクルム伊達が突いた。コイントスに勝つとリターンを選び、最初のゲームをいきなりブレーク。サーブの調子も良く、相手にブレークポイントを与えることなく4ゲーム連取に成功した。

ところがこのあたりから、クルム伊達の動きが目に見えて落ちてくる。コート上で腰のストレッチを繰り返し、ミスも目立ちはじめていた。対する奈良は、ストレートに展開し相手を振り回したり、ネットに飛び出しボレーを叩き込むなど「やりたかったプレー」が形になりはじめる。一方的だった試合の流れは反転し、今度は奈良が5ゲーム連取に成功した。

その潮目が再び変わったのが、4-5でクルム伊達がとったメディカルタイムアウト。「臀部の張り」の治療を終えたクルム伊達は、試合再開後に3ゲーム連取で、第1セットを奪い去った。

こうなると、一度つかんだ流れをクルム伊達は離さない。第2セットも先にブレークし、2-1とリード。続くゲームは5度のデュースを重ねるが、勝負所で攻めたクルム伊達が取り切る。「リターンでプレッシャーを掛けたかった」という奈良だが、この日はミスが多く、逆にクルム伊達のサービスゲームにリズムを与えてしまった。
 
2年連続で同大会ベスト4を決めたクルム伊達の次の相手は、サマンサ・マリー。「この大会で一度練習をしただけ。大きな武器は無いが、ソツの無い選手という印象」という未知数の相手と、決勝進出をかけて対戦する。

※写真は、準々決勝で奈良くるみを破り、昨年に続いて4強入りを果たしたクルム伊達公子

ダンロップ・ワールド・チャレンジ2012

女子シングルス
準々決勝
クルム伊達公子[4] 7-5 6-3 ●奈良くるみ[6]

[ ]内の数字はシード順位

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