USオープン大会13日目(日本: 2018年9月9日)
女子シングルス決勝が行われ、第20シードの大坂なおみが第17シードのS・ウィリアムズ(アメリカ)を6-2, 6-4のストレートで破り、日本人初めての快挙となるグランドスラム優勝を果たした。

試合中、ペナルティを3回取られたセリーナは涙が溢れるほどの感情を爆発させ、会場はレフリーに対するブーイングで試合が一時的に止まる場面も。

その中で自分の精神をコントロールし、しっかり勝利を掴んだ大坂なおみは、出だしから好調なサーブと深いストロークを武器に文句のつけようのないプレーをした。

優勝後、満員のスタジアムでのインタビューでは
“グランドスラム決勝でプレーしたいという願い、そしてその相手が憧れのセリーナであってほしいという願い、2つの願いが同時に叶った今、どんな気持ちですか?”
という問いに対して、

「インタビューの前に最初に言わせてください。今日はみんな彼女(尊敬するセリーナ)のことを応援してたと思います。こんな終わり方でごめんなさい。ただ、この試合を見てくれてありがとうございます。本当にありがとうございます」
と堪えようとしても堪えきれない涙を流しながら言った。

コーチのサーシャ、大坂の母をはじめ、陣営人は涙を。観客からは拍手が鳴りやまなかった。

グランドスラム大会23回の優勝を誇るセリーナは
「レフリーの事はもう言いたくない。だってナオミの初めてのグランドスラム優勝だから。もうブーイングはやめて。今日を乗り越えましょう。彼女を祝福しましょう。みんな応援ありがとう。私はまだここでプレーし続けます」
とインタビューでは元女王らしい姿をみせてくれた。

今回のUSオープンも、素晴らしいスポーツマンシップが伺える場面がいくつかあった。
怪我から復帰後、約7ヶ月で男子シングルス4強になった錦織圭は、3回戦 第11シードのD・シュワルツマン(アルゼンチン)との対戦で
「5-5。15-0のサーブのとき。彼に(シュワルツマン)にチャレンジしたら?と言われチャレンジした」と答えた。
スロー再生ではインの判定で15-15になる。錦織はサムアップで感謝し、それにシュワルツマンは笑顔で応えた。
「ここでササッとプレーされていたら30-0の場面だった。ナイスガイで珍しい。(彼は)普段からいい人だと感じていた」と話す。
勝ち負けを争う大事な場面での対応、シュワルツマンの人柄。お互いにリスペクトしている二人の良い関係がわかるシーンだった。

大坂なおみの優勝、そして錦織圭の4強は、改めてテニスの素晴らしさ、そしてスポーツの感動を与えてくれた。

賞金総額60億円:2018 USオープン
シングルス賞金(男女同額)
優勝:$3,800,000(4.2億円)
準優勝:$1,850,000(2.1億円)
ベスト4:$925,000(1億円)
ベスト8:$475,000(5300万円)
4回戦:$266,000(3000万円)
3回戦:$156,000(1740万円)
2回戦:$93,000(1040万円)
1回戦:$54,000(600万円)

https://tennis.jp/tournament/2018-us%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%B3

記事 塚越景子