9月18日 東レ・パンパシフィック・オープン

日本人初のグランドスラム大会優勝を飾った20歳の大坂なおみ(日清食品)の凱旋初試合は19日(水)、午後5時半以降の第4試合になった。
大坂は第3シード、1回戦はbyeで2回戦からの登場。2回戦で、2014年全豪準優勝スロバキアのドミニク・チブルコバ(30位、29歳)と対戦する。

残りのシングルス1回戦が行われ、奈良くるみ(安藤証券)が元世界11位のビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)と対戦し、4-6、5-7で敗れた。ダブルス1回戦で日比野菜緒(LuLuLun)/カラシニコワ(ジョージア)組は第4シードと競り合うも、ファイナル・セットのマッチ・タイブレークで3-10と惜敗した。井上雅(テニスラウンジ)/村松千裕(グラムスリー)組も敗れた。
2017年USオープンチャンピオン、第5シードのS・スティーブンス(アメリカ)が世界45位、22歳のベキッチ(クロアチア)に4-6, 4-6のストレートで敗れた。

奈良くるみ元女王追い詰める

ワイルドカードで出場した奈良くるみ、元世界1のアザレンカを苦しめたが残念ながら初戦敗退となった。

第1セット、奈良は2度のブレークを許しセットを奪われた。
原田夏希コーチから、具体的な戦法とファイトしないとコーチングを受ける。

すると第2セットではお互いブレークを奪い合う凄い接戦に。

第9ゲームを落とした奈良は4-5と追い詰められるが、すぐに第10ゲームをブレーク・バックし5-5する。
しかし第11ゲームをブレークされ5-6。

アザレンカのサービング・フォ・ザ・マッチは40-15。
奈良はマッチポイントを握られる。

奈良は追い込まれながらも、拾いまくりロブを上げる、アザレンカはそれをドライブ・ボレーしたがネット。
二つ目のマッチポイント、奈良はフォアのショートクロスを決めてデュースに持ち込んだ。

デュースの数は5回。奈良は4度のマッチポイントをしのぎ、4回ブレーク・バックのチャンスを掴んだが。
5回目のマッチポイントを決められてしまった。

このゲームだけで9分30秒はかかっていただろう。
「今できる最大限のテニスは出せたが、勝ちにつなげられなかった。」新しいテニスに挑戦中の奈良だ。

奈良の指導をしている原田夏希コーチは
「(アザレンカ戦は)自分の強みと取り組んでいる課題が噛み合ってきた時間が増えてきた内容の濃い試合でした。
いつかバランスが整いテニスが進化することを信じて継続あるのみです。
成長の過程で、ある程度の失敗は付き物ですし、失敗を恐れずに取り組んでいきます。」と。

「悔しいけど、いいプレーもできた。」と奈良は引き続きトライする。
頑張れ奈良くるみ!

奈良の挑戦はテニス愛好者に勇気を与えてくれる。

勇気をくれる奈良くるみのプレー 元女王を追い詰めた

記事:塚越亘 塚越景子 写真 鯉沼宣之/TennisJapan