森田あゆみ(テニス)
女子国別対抗戦フェドカップ・ワールドグループI・1回戦、ロシア対日本、1勝1敗で迎えた第2日目、第3試合で、マリア・キリレンコ(WTAランキング13位)が風邪のため欠場し、替わりにエレナ・ベスニナ(33位)が起用された。だが、森田あゆみ(57位)は、全く動じることなく、6-4、6-1で下し、日本に2勝目をもたらし、オリンピックスタジアムの地元観客を沈黙させた。ツアーでよく練習する仲であるベスニナは、「あゆみは、今ベストテニスだと思う」と森田を称えた。

「セカンドセットからリターンが良かったし、相手より走り勝てた。自分が2勝できる力をつけてこられたことは、本当に自信にもなるし、チームに貢献できて嬉しい。シングルス2勝で、ナンバーワンの役目は果たせた」(森田)

だが、日本が王手をかけた第4試合で登場した<a href="クルム伊達公子(77位)は、プレーに精彩を欠きエカテリーナ・マカロワ(20位)に、1-6、1-6で敗れた。実は、クルム伊達は、右アキレス腱痛を再発させ、出場するかどうかも危ぶまれていた。

「昨日、今年一番悪い状態で、今朝になっても(痛みが)ひかなかった。(試合では)薬を2回飲んで、痛みはなかった。自分の力が足りなかった事に対する悔やみは当然ある。きっかけがサーフェスのせいというのも、さらに悔しいところではある」(クルム伊達)

2勝2敗となり、勝負のかかった第5試合で、ロシアは、当初のベスニナ/マルガリタ・ガスパリャン(226位)組から、ベスニナ/マカロワ組に替えて、当然ながら勝負をかけてきた。コンビネーションの良いロシアペアに、森田/土居美咲(84位)組は、後手に回り、経験の浅い土居が狙われる場面もあった。結局、2-6、2-6で敗れた日本は、ベスト4まであと一歩のところで手が届かなかった。

「(日本の)フェドのメンバーがダブルスを組む機会がないということが、一番の問題。まずは、トップ100、そしてトップ50。そうすればグランドスラムで組める。フェドで勝つには、4人がどう組んでも勝てるように取り組まないといけない」(村上武資監督)

日本は、ワールドグループI残留をかけて、4月にプレーオフを戦う。

※写真はフェドカップ2日目のシングルスでエレナ・ベスニナに勝利した森田あゆみ
Photo by Hiroshi sato
Text by Hitoshi ko