錦織圭、大坂なおみなどの活躍でテニスへの関心が高まっている中、日本のプロ選手達が一層活躍でき、日本のテニスを盛り上げるためのより良い環境つくりをしていく組織として、「日本男子プロテニス選手会」(Japan Tennis Players Union)が発足した。
「これまで,選手一人一人の持っているポテンシャルやアイデアが活かし切れず発揮出来ないのはもったいないと感じていました。
選手一人ひとりのパワーを組織としてまとめることができれば,テニス界全体がより良い方向に向かっていくのは間違いないと思っていました。
こうした思いから,男子プロテニス選手で組織される選手会を設立しました。
テニスは個人スポーツですので,海外や全国各地を転戦する選手の意見をまとめるのは容易ではないですが、選手一人一人が高い意識を持ち,チームジャパンとしてまとまっていけるように頑張って努めていきます。」と全日本男子プロテニス選手会 添田豪会長の挨拶。
錦織圭をはじめ日本ランキングトップ選手達が賛同し、会員になる見通しだ。
ファンや協会との交流を深めるプラットホーム
現在、JTA男子ランキングの100位以内には約60名の男子プロ選手(残りはアマ)がいるが、そのうちの大部分から選手会への参加の意思表明がなされ、現時点では約30名が賛同し、会員となっている。
個々のプロ選手のテニス界についての考えや思いをとりまとめ、日本テニス協会(JTA)との連携を通じて、建設的に日本のテニス界をよりよい方向にもって行きたい。
個々の選手達はいろいろな考えを持っているが、個々ではどこにどのように発信していいのか分からない。
また個人で発言したとしても、他の選手の意見はどうかとの疑問が示されることが多ので、そうしたことから選手会という組織として発言する必要性を感じた。
2019年から国際ツアー制度の改革でチャレンジャーやフューチャー大会が減る。
自分たちの将来に不安を感じている。そして自分たちのプロ選手としてのステータスについても悩んでいる。
プロ選手が国内で活躍する場を増やしたい。
但し選手会は(権利を主張する)労働組合ではなく一般社団法人であるので、JTAとは(交渉ではなく)共に協力してやっていきたい。
選手会として、エキジビションマッチやイベントを地方で行いテニス普及の活動を行う。
ナショナルチームから外された選手やこれからの選手を対象とした合宿を企画し、日本テニス界全体の底上げを行いたい。
これまでも同じような趣旨で選手会ができたが自然消滅しているので、「継続」が重要と考えている。
海外ツアーを回る選手も多く、この男子選手会立ち上げにもまとめるのに2年はかかった。
先ず男子プロ選手の選手会を立ち上げ、将来は女子選手も含めての活動もできたらと思う。
Japan Tennis Players Union
代表理事:添田豪
理事:内山靖崇、吉備雄也、仁木拓人、西岡良仁
監事:松井俊英、山本衛(弁護士)
オフィシャルHP
写真の5人のほか監事の山本弁護士が登壇。鈴木貴男、高橋悠介など数名の選手が応援参加。
約30名のメディアのほか、日本テニス協会からは土橋強化本部長、岩渕強化副本部長、川廷事業本部長、水谷補佐、高橋甫総務部長、野澤広報委員会担当などがオブザーバー出席した。
記事:塚越亘/塚越景子 写真 JTPU