11月10日、神戸、ブルボンビーンズドームで行われてた ATP 兵庫ノアチャレンジャー

綿貫陽介(日清食品)がATPチャレンジャーで遂に優勝を勝ち取った。
決勝で杉田祐一(三菱電機)を6-2、6-4で破った。

ストレート勝利、スコアだけを見ると簡単そうに思える勝利だが、5-4、綿貫のサービング・フォ・ザ・チャンピオンシップでは40-0からなんとデュースに持ち込まれ、そのデュースの回数は9回、9度目のマッチポイントをものにしての、「やっとこさ」の勝利だった。

杉田祐一vs綿貫陽介
100位復帰 vs 初優勝を賭けた戦い

スコア以上の激戦 ドラマがあった


<<決勝>>
◎綿貫陽介 6-2 6-4 ●2]杉田祐一

シングルス決勝は31歳の杉田祐一対21歳の綿貫陽介。

綿貫が苦労したのは伏線がある。
一つは一年前のこのノアチャレンジャー。

綿貫は準々決勝で第4シードの添田豪(GODAI)を6-4、6-4、準決勝では第1シードの西岡良仁(ミキハウス)を6-0、4-6、7-5と次々と先輩優勝候補を破り決勝に進出した。
20歳の勢いは止まらず、決勝では第2シードの伊藤竜馬(北日本物産)に第1セットを6-3と取った。

チャレンジャー初優勝まであと一歩、第2セットも競り合う。
しかし5-7、3-6の逆転で敗れてしまう。昨年のノアチャレンジャー記事

綿貫は初優勝のプレッシャーと闘っていた。

もう一つは杉田の粘りだ。杉田はこれに優勝すれば、80ポイントをゲットでき、100位内にカンバックできる。
100位内ならグランドスラム大会本戦に確実に出場できる。(昨年の全豪オープンは128ドロー、予選勝者16名、主催者推薦8名、特例3名でランキング上から101人が本戦入りだった)
このことは杉田に見えない足かせにもなったが、綿貫にマッチポイントを握られた時に、踏ん張れる力にもなったのだろう。

綿貫、5-4、サービング・フォ・ザ・チャンピオンシップで
綿貫はナイスサーブやサービス・エースで40-0とマッチポイントを握る。

普通なら勝ったも同然。
しかし、良いファースト・サーブも入らず、深いリターンなどで攻められデュース。

7回目のデュース、7回目のマッチポイントではネットを越えないダブルフォルトを犯したりした。

杉田も3度ブレーク・ポイントを握る。
大逆転劇が起こりそうな予感もする。

9回目のデュースになる。もうこのゲームだけで15分は越えている。

綿貫はくじけそうなこんな状況の中でも自分の持ち味の一つ、Tへサービス・エースを決め9回目のマッチポイントを握る。

息詰まる18回のラリー戦、
杉田のフォアはベースラインを越えてしまった!

勝った瞬間は大きなガッツポーズより安堵感


綿貫にとっては自分との戦いでもあった決勝戦、綿貫が見事自分に打ち勝った。

綿貫陽介 ATPデーター この優勝で302位から226位にカンバック。来年1月の全豪オープン予選に出られるランキングになった。
綿貫の最高ランキングは今年の3月の171位。その後はケガやツアーの過酷さで結果が出せないでいた。才能のある綿貫、この優勝をきっかけに飛躍を期待したい。
綿貫陽介 全成績

素晴らしいプレーとファィテング・スピリットを見せた杉田祐一


お互いの意地がぶつかりあった素晴らしい決勝だった。

杉田祐一 ATPデーター 107位から102位に。全豪オープン本戦にギリギリ入れそうだ。
杉田祐一 全成績

全日本人男子ATPランキング(2019/11/4付け)

今週は安藤証券オープン
日比野菜緒、奈良くるみ、森田あゆみも!!
会場は2020東京オリンピックの有明
入場無料!!

安藤証券オープンが始まった。
WTAツアーの下部大会、$100,000 ITF女子 東京大会。
会場:有明テニスの森公園
期間:11月11日~17日

日比野菜緒(102位、ブラス)、奈良くるみ(144位、安藤証券)、内藤祐希(185位、亀田製菓)、清水綾乃(289位、Club MASA)、今西美晴(298位、島津製作所)、波形純理(316位、伊予銀行)。ワイルドカードで森田あゆみ(安藤証券)が復活挑戦。
全日本で優勝した本玉真唯(島津製作所)は予選突破で本戦入り。
11/13 オーダー・オブ・プレー
本戦ドロー
予選ドロー
ダブルス・ドロー

兵庫ノアチャレンジャー
会場:ブルボンビーンズドーム
日程:11/4~11/10

初のATPチャレンジャー優勝 お金では買えない大きな自信‼


<<決勝>>
◎綿貫陽介 6-2 6-4 ●2]杉田祐一

<<準決勝>>
◎綿貫陽介 61 62 ●リジトーヴェン(NED)
◎2]杉田祐一 63 46 61 ●今井慎太郎

<<準々決勝>>
◎綿貫陽介 64 2-2ret. ●13]ナム(韓国)
◎リジトーヴェン(NED) 63 36 76(6) ●3]添田豪
◎今井慎太郎 63 76(4) ●11]守屋宏紀
◎2]杉田祐一 62 63 ●9]ラマナサン(IND)

<<3回戦>>
◎13]ナム(韓国) 63 16 61 ●W]望月勇希(中大)
◎綿貫陽介 62 61 ●W]市川泰誠(ノア・インドア)
◎3]添田豪 06 63 75 ●島袋将(早大)
◎リジトーヴェン(NED) 76(2) 76(8) ●サビル(豪)

◎11]守屋宏紀 75 62 ●ツェン(台湾)
◎今井慎太郎 36 63 62 ●徳田廉大(イカイ)
◎9]ラマナサン(IND) 63 63 ●8]クラーク(英)
◎2]杉田祐一 67(4) 63 63 ●ガバシュビリ(RUS)
単複ドロー

記事:塚越亘/塚越景子/取材協力:長竹ノア インドアステージ 写真:兵庫県テニス協会