今季2大会目となる男子マスターズ1000/女子プレミアムマンダトリー大会のソニー・オープンは3月19日に米国フロリダ州で開幕。初日に登場したクルム伊達公子は、シャネル・シェーパーズを、6-2、6-0で破り2回戦に進出した。クルム伊達は2回戦で、第19シードのビーナス・ウィリアムズと対戦する。
試合立ち上がりでブレークを奪い、勝負どころの接戦を制して抜け出すと、そのまま流れを掌握し一気に勝利まで走り切る。「これぞクルム伊達」と言いたくなるような、圧巻の勝利のシナリオであった。第1セット、第2セットともに最初のゲームをブレークすると、続く自分のサービスゲームをデュースの末にキープ。試合の主導権を握ると、サービスコースを読みきったかのように鋭いリターンで次々にポイントをつかみ、得意の早い展開で相手のペースを奪っていった。この日のクルム伊達の、リターンでのポイント獲得率は67%。リターンゲームで如何に積極的に攻めていたかが、この数字からも伺える。
それでも「相手はしぶといし、最後まで油断は出来なかった」とクルム伊達。終盤に向けてむしろ集中力を上げ、第1セットでは4-1のリードからブレークされるも、その直後にブレークバック。第2セットの第5ゲームでは、相手のダブルフォルトに乗じてブレークし勝利を大きく引き寄せた。
先週のインディアンウェルズではダブルスで準決勝まで勝ち残り、翌朝早朝の便でマイアミ入り。「当然、疲れはある」という状況ながら、連日10時間前後の睡眠を取り、練習も普段より控えめにして体調を整えてきた。「疲れ過ぎると眠れないことも多い中で、しっかり眠れたのは精神状態も良いということ」との言葉からも、身心の充実度が伺える。
次のビーナス戦については「サービスが良い選手だが、サービスだけではあの位置には居られない。色々と対策を練らなくてはいけない」と気持ちを引き締め、同時に初戦で第1シードと当たるダブルスに関しては「強い相手だが、ケーシー(デラクア)とのペアなら、何か起こせるのではという気もする」と発言。単複両方で、厳しいながらもやり甲斐のあるチャレンジに挑む。
写真は、ソニー・オープン1回戦でフォアハンドを打つクルム伊達公子
photo by hiroshi sato