11月19日 男子テニスの国別対抗戦、デ杯がマドリードで行われた。

デ杯、昨年までは世界の上位16チームによるトーナメントを1年かけて実施していたが、2019年から18チームがマドリードに集まり、1週間で優勝国を決める方法に変更された。

試合方法もシングルス2試合とダブルス、計3試合で決める。
5セットマッチも3セットに短縮するなどして行われる。

参加18ヶ国は、2018年のワールドグループ4強(クロアチア、フランス、スペイン、米国)と2月に行われたファイナル予選の勝者12チーム(日本、豪州、ベルギー、カナダ、チリ、コロンビア、ドイツ、イタリア、カザフスタン、オランダ、ロシア、セルビア)+ワイルドカード(アルゼンチン、英国)2チームの計18チーム。

その18ヶ国が6組に分かれて総当たりし、各組1位6チームと勝率上位2チームが決勝トーナメントに進む方式だ。
日本はAグループ、昨年準優勝のフランスそしてジョコビッチがいるセルビアと戦う。

19日、日本は過去10度の優勝を誇る強豪フランスと戦い、第1試合で内山靖崇(北日本物産)がツォンガに2-6、1-6で敗れたが、第2試合で世界73位の西岡良仁(ミキハウス)が10位のモンフィスを7-5、6-2で破る活躍をする。
勝負は最終試合のダブルスに縺れ、内山靖崇/マクラクラン勉組が先週ATPファイナルのダブルスで優勝したエルベール/マユ組に第1セットのタイブレークを7-4で取り王手をかけたが、4-6、5-7で逆転負けした。

内山靖崇
力発揮できず!

内山靖崇積極的に戦ったが


第一試合
●内山靖崇 2-6 1-6 ◎Tsonga

トップ100の壁を破った内山靖崇が日本チームを代表して単複に選ばれた。
積極的に戦うものの、やや空回り、世界29位のツォンガの冷静で力強いプレーに、本来の力を出し切れず敗れた。

日本西岡良仁
踏ん張る!

素晴らしいプレーと気合でモンフィスを破った西岡良仁


第二試合
◎西岡良仁 7-5 6-2 ●Monfils

いや~あ、西岡は強かった。

西岡はしつこくモンフィスのバックにボールを集める。
モンフィスはバックで西岡のフォアに、クロスのラリー戦が続くが、先に勝負を西岡にしかけられる。

モンフィスが先に仕掛けようとすると西岡のカウンターがモンフィスを襲う。
センスのあるテニスをするモンフィスがベンチに戻り、思わずラケットを放り出す場面もあるほどだった。

「第1試合を落とした後でプレッシャーがあったが、今シーズンは(8月の錦織など)トップ選手を破るなど良いテニスができていたので、
勝てるという気持ちでプレーできたのが結果に出たと思う。
錦織選手は怪我で残念ながら、今日ここにいないが、
日本は強いということを全世界に伝えることができた」。と西岡、
どちらがランキング上位者なのかわからないほど西岡のプレーがモンフィスのプレーを上回っていた。

ダブルス 第1セット先行
日本勝利に迫るが!

第1セットを取ったマクラクラン勉/内山靖崇


最終試合
●内山靖崇/マクラクラン勉 7-6(4) 4-6 5-7 ◎Herbert/Mahut

そして勝負が決まる第3試合ダブルスでは、内山とマクラクラン勉がエルベール/マウと対戦。

エルベール/マウは前週のATPファイナルで一度もセットを落とすことなく優勝。ダブルスでは4つのグランドスラム大会で優勝しているグランドスラマーの強敵だ。

その相手に対して、内山/マクラクランはタイブレークに持ち込み、先にミニブレー、3-0とする。
4‐4と追いつかれるが、ボレーミスにつけ込み、3ポイント連取、7-4で第1セットを取る。

第2セットは2-2、マクラクランのサーブ、ダブルフォルトで30-40とブレーク・ポイントを握られる。
Tへサービス・エースを決めデュースに持ち込んだと思えたが、しかしこれを仏がチャレンジ、その判定は「フォルト」に。
マクラクランはセカンドサーブで勝負をかけたが、ロング、またのダブルフォルトで、2-3とサーブを落とす。

続くゲームで日本はブレーク・チャンスを2度握ったが仏がキープ。

試合はファイナル・セットに縺れる。

サービスキープが続が、4-4で先に日本はサーブを落とす。

5-4、仏のサービング・フォ・ザ・マッチだが、ボレー戦を制し日本はブレーク・バック、5-5とする。

マクラクラン、40-30とするが、惜しくも内山のボレーがネットになり、デュース。
エルベールはバックのダウン・ザ・ラインでリターン・エース。
ブレーク・ポイントを握られる。
マクラクランの思い切り良いサーブは惜しくもダブルフォルト!
5-6となってしまう。

エルベール サービング・フォ・ザ・マッチ、
40-0のマッチポイントはダブルフォルトだったが、2度目のマッチポイントをものにして仏が日本を破った。

惜しい試合だった。

2019年デ杯ファイナル
期間:11月18~24日
会場:La Caja Magica Madrid

日本 1-2 フランス
●内山靖崇 26 16 ◎Tsonga
◎西岡良仁 75 62 ●Monfils
●内山靖崇/マクラクラン勉 76(4) 46 57 ◎Herbert/Mahut
2019デ杯ファイナルドロー

デ杯・JTAホームページ
ITFデ杯ホームページ
2018年ドロー

西岡良仁の素晴らしいプレーを祝福するモンフィス

記事:塚越亘 塚越景子 写真 H.Sato/TennisJapan