11月20日 マドリードで行われている男子テニスの国別対抗戦、デ杯ファイナル

1次リーグA組の日本はセルビアに0-3で敗れ、2戦2敗となり、8強進出はならなかった。
この結果、日本は2020年デ杯ファイナル出場をかけて、3月行われる地域予選で戦う公算が多くなった。

「世界の強豪に通用する部分と、まだ届かない部分がわかった。
新方式の短期決戦はどの国にもチャンスはある」と岩渕聡・日本デ杯監督。
日本のエース錦織圭(日清食品)を右肘故障で欠いて闘った日本チームだったが、世界の強豪国相手にスコア以上に対等に戦っていた。

杉田祐一
ガッツプレーで頑張ったが

日本チームを引っ張ってガッツプレーを見せた杉田祐一


第一試合
●杉田祐一 2-6 4-6 ◎クライノビッチ

前日、日本はデ杯で過去10度の優勝を誇る強豪フランスを追い詰めたが、あと一歩足りず、1-2で惜敗した。

クロアチア戦にはチーム最年長、デ杯の経験も豊富な杉田祐一(31歳、104位)が出場した。

クロアチアはクライノビッチ(27歳、40位)が登場。
2010年セルビアがデ杯で優勝した時、16歳ながら将来を見込まれデ杯メンバーに選ばれている。

長いラリー戦が続き、杉田はガッツプレーで戦ったが。
「非常に悔しい。
ものすごく責任を感じる。
(またチャンスがあったら)次こそはという思いだ」と杉田。

日本西岡良仁
踏ん張る!

牛若丸のようなコートカバーリングをみせた西岡良仁


第二試合
●西岡良仁 1-6 2-6 ◎ジョコビッチ

「どこに打っても返えされ、質も高かった。
全然歯が立たずに差を感じた」と西岡は言うが、明らかにジョコビッチも西岡のプレーを嫌がっていた。
簡単なスコアに見えるが、1ポイント1ポイントの内容は大接戦、
ラリーは20回ぐらいは続き、ここにこの時に打ってくるのか?というような見ていておもしろい攻防だった。

「すごくやりにくい。
それを経験できたのは収穫」。と西岡は言うが鉄壁のディフェンス力のある世界No.1プレーヤー相手に真剣勝負できたのは貴重な経験だ。

ダブルス タイブレークの大接戦!

内山靖崇/マクラクラン勉勝利のチャンスもあったが


最終試合
●内山靖崇/マクラクラン勉 6-7(5) 6-7(4) ◎Tipsarevic/Troicki

両セット共にタイブレークの大接戦。
第2セットは先にブレークしたが、ブレーク・バックされた。

今大会限りで引退するティプサレビッチがトロイツキをうまく生かし競り勝った。

「競りながら負けて悔しい。
プレーの内容は良かったが、経験の差を感じた。
もっとトップレベルでの経験をしないと」と内山靖崇。

「負けてしまったが、我々は経験を積めば強いチームになれると思う」とマクラクラン勉。

日本チームは世界の強豪国相手に見応えのある試合を見せてくれた。

デビスカップby楽天 マドリード・ファイナル
期間:11月18~24日
会場:La Caja Magica Madrid

●日本 0-3 ◎セルビア
●杉田祐一 26 46 ◎Krajinovic
●西岡良仁 16 26 ◎Djokovic
●内山靖崇/マクラクラン勉 67(5) 67(4) ◎Tipsarevic/Troicki

●日本 1-2 ◎フランス
●内山靖崇 26 16 ◎Tsonga
◎西岡良仁 75 62 ●Monfils
●内山靖崇/マクラクラン勉 76(4) 46 57 ◎Herbert/Mahut
2019デ杯ファイナルドロー

デ杯・JTAホームページ
ITFデ杯ホームページ
2018年ドロー

デ杯、昨年までは世界の上位16チームによるトーナメントを1年かけて実施していたが、2019年から18チームがマドリードに集まり、1週間で優勝国を決める方法に変更された。

試合方法もシングルス2試合とダブルス、計3試合で決める。
5セットマッチも3セットに短縮するなどして行われる。

参加18ヶ国は、2018年のワールドグループ4強(クロアチア、フランス、スペイン、米国)と2月に行われたファイナル予選の勝者12チーム(日本、豪州、ベルギー、カナダ、チリ、コロンビア、ドイツ、イタリア、カザフスタン、オランダ、ロシア、セルビア)+ワイルドカード(アルゼンチン、英国)2チームの計18チーム。

その18ヶ国が6組に分かれて総当たりし、各組1位6チームと勝率上位2チームが決勝トーナメントに進む方式だ。
日本はAグループ、昨年準優勝のフランスそしてジョコビッチがいるセルビアと戦った。

ジョコビッチも手を焼いた西岡良仁のプレー

記事:塚越亘 塚越景子 写真 H.Sato/TennisJapan