実業団の団体戦「第39回テニス日本リーグ」の決勝トーナメントが、東京体育館で2月14日から16日にわたり開催された。2月16日には決勝戦と3位決定戦が行われた。

男子はエキスパートパワーシズオカが、ノアインドアステージを下し、8年ぶり3度目の優勝、そしてチームとして100勝目を飾った。

決勝ではシングルス2(S2)からスタート。望月勇希が高校生の富田悠太をフルセットの末に下す。第1セットは相手の勢いに押されて落とすが、「個人戦ではなく、たくさんの方が応援してくれた。それに応えたいと思い、なんとか我慢した」という望月が、次第に調子を上げ、プレッシャーをかけ、勝利をもぎ取った。

エキスパートパワーシズオカS2の望月勇希。写真:伊藤功巳

S1ではチャレンジャー大会でも実績のあるATP世界ランク315位の吳東霖(ウートゥングリン)が、持ち味であるサービスと、ネットプレーで優位に立ち、松田龍樹とのエース対決をフルセットで制して勝利を決めた。ウーは、「ツアーでも対戦したことのあるライバルたちと同じチームの一員として戦え、優勝に貢献できて嬉しい」と流暢な日本語で語った。

エキスパートパワーシズオカS1の吳東霖。写真:伊藤功巳

8年ぶりの優勝だが、当時チームにいたメンバーは、後藤匡宏監督と森智広コーチのみ。周知のことと思うが、イカイ、エキスパートパワーシズオカ、今期はONEDROPも加わり、3チームでの参戦。選手もこのチーム間で大きく移動、加入もしている。イカイで連覇の経験がある今井慎太郎、そして昨年はマイシン所属だった末岡大和が新加入し、準決勝では橋本総業HDのダブルスを下して決勝進出を決めた。

後藤監督は「3チーム全て優勝を目指している。今回は(準々決勝で)負けたイカイから『絶対に優勝してくれ』とお願いされた」と、チーム間でもお互い背中を押していると話す。

来年はどういったメンバーで2連覇を目指すのだろうか?
それも日本リーグの一つの楽しみ方なのかもしれない。

<男子決勝戦スコア>
エキスパートパワーシズオカ 2-0 ノアインドアステージ
S1 吳 東霖 6-3, 3-6, 12-10 松田龍樹
S2 望月勇希 6-3, 3-6, 10-8 富田悠太
D 今井慎太郎/末岡大和 6-2打切り 市川泰誠/坂井勇仁 

<男子決勝トーナメント結果>
優勝 エキスパートパワーシズオカ
準優勝 ノアインドアステージ
3位 伊予銀行 
4位 橋本総業ホールディングス
5位 イカイ
5位 三菱電機
7位 レック興発
7位 山喜

取材・文/保坂明美 写真/伊藤功巳