実業団の団体戦「第39回テニス日本リーグ」の決勝トーナメントが、東京体育館で2月14日から16日にわたり開催されている。2月15日には準決勝と順位決めの試合が行われた。

準決勝での注目は、どちらが勝っても初の決勝進出となる、男子のノアインドアステージと伊予銀行の対戦だ。このカードはセカンドステージ最終日に、お互いが無敗の状態で対戦しており、その時は伊予銀行が勝利して1位通過を決めている。

ノアインドアステージS2の富田悠太。写真/鯉沼宣之

ノアインドアステージの吉備雄也監督は、その時から決勝トーナメントでは準々決勝を突破し、準決勝で伊予銀行にリベンジして決勝の舞台に立つことを念頭に入れて取り組むようにメンバーに言ってきた。

準決勝では、シングルス2(S2)の富田悠太は敗れたものの、S1の松田龍樹は前回の敗戦から対策を練りストレートで勝利。勝負がかかったダブルスでは、市川泰誠/坂井勇仁組が期待に応えて勝ち切った。

ノアインドアステージS1の松田龍樹。写真/伊藤功巳

「現役の時も入れると、ノアに入って12年目で初めての決勝です」と感慨深げな吉備監督。今季のノアが強い理由を聞くと、「S2で頑張ってくれている」富田の加入を挙げた。富田は今年の3月に卒業する高校生で、すでにプロ登録済みだ。前回から加入しているS1の松田に加えて、S2の富田、ダブルスが得意な市川と、プロを3人揃えられたことで、どの対戦でも勝負できるようになった。

今季は接戦が多いことからもわかるように、「実力は拮抗している」状態。決勝戦に向けて、「S2の富田が勢いよく、S1の松田は今日の調子でやってくれたら。ダブルスに回っても自信はあります」と吉備監督。目指すは初優勝だ。

準決勝で勝利を決めたエキスパートパワーシズオカのダブルス、今井慎太郎/末岡大和組。写真/伊藤功巳

対するエキスパートパワーシズオカには新加入した台湾の吳東霖(ウートゥングリン)、今井慎太郎、望月勇希、ダブルスの技術が高い末岡大和など強力なメンバーが揃っており、2016年以来となる3度目の頂点を狙う。

■男子決勝トーナメント 準決勝結果
ノアインドアステージ 2-1 伊予銀行 
エキスパートパワーシズオカ 2-1 橋本総業ホールディングス

■ 5・7位決定戦結果
イカイ 3-0 レック興発
三菱電機 2-1 山喜

女子は前回覇者の橋本総業ホールディングスと、前回準優勝の島津製作所が順調に駒を進めた。この決勝カードは3年連続9度目の対戦となる。準決勝のメンバーを見ると、橋本総業HDは昨年と同様だが、岡村恭香がランキングを上げてS1となり、故障から復活した坂詰姫野がS2、ダブルスに小堀桃子/森崎可南子組となっている。

島津製作所は前回S1の本玉真唯が抜け、S1を加治遥が担う。S2に新加入の山﨑郁美、ダブルスにベテランの桑田寛子が入っている。ファイナルセットは10ポイントタイブレークとなるだけに、その日の調子で結果も変わってくるだろう。9度目のライバル対決の戦いを楽しみにしよう。

■女子決勝トーナメント 準決勝結果
橋本総業ホールディングス 2-1 ノアインドアステージ
島津製作所 2-1 橋本総業 

■ 5・6位決定戦結果
明治安田 3-0 エームサービス

<大会スケジュール>
2月16日(日)/男女決勝戦、男女3位決定戦10:30~

取材/文:赤松恵珠子 写真:伊藤功巳 鯉沼宣之