実業団の団体戦「第39回テニス日本リーグ」の決勝トーナメントが、東京体育館で2月14日から16日にわたり開催されている。2月14日には準々決勝が行われ、男女合わせて6試合のうち5試合がダブルスにまでもつれる接戦となった。

接戦が多かった準々決勝の中でも、最大の番狂わせは前回の男子チーム覇者である三菱電機に、橋本総業ホールディングスが勝利したことだ。前回は準決勝で対戦しており、橋本総業HDが0-3で敗れている。両チームのメンバーは橋本総業HDのシングルス1(S1)以外変わっておらず、S2の福田創楽とダブルスの渡邉聖太/河内一真組がリベンジを果たした。

橋本総業ホールディングスS2の福田創楽。写真:伊藤功巳

S2の福田と三菱電機の高橋悠介は同年代で、今までに何度も対戦しており相手のプレーは熟知している。福田は高橋に先に展開されないように「同じところに打たない」ことと積極的なプレーを心掛けた。

左利きのサービスも効果的で第1セットを先取。第2セットを奪われて10ポイントタイブレークへ。福田はバックを狙われながらもチャンスを見てフォアで攻め、マッチポイントでは長いラリーの末に回り込みフォアが決まり金星を挙げた。

橋本総業ホールディングスのダブルス、渡邉聖太/河内一真組。写真:伊藤功巳

橋本総業HDのS1は敗れ、勝敗はダブルスに託された。「(福田)創楽くんがすごくいい試合をしてくれて、それに感化された」と言う渡邉と河内は、気合いを入れて試合に入った。前回の敗因を踏まえて対策を立ててきたものの、思ったように機能せず第1セットを落とす。

しかし、相手のサービスに合わせてリターンを修正したことで確率が上がり、第2セットを取って10ポイントタイブレークに持ち込んだ。リターンが合ってきたことに加え、今までサービスキープに苦戦していた河内が「気持ちでいくしかない」と思い切ったフラットサービスがうまく入り、橋本総業HDに勝利をもたらした。

伊予銀行のダブルス、河野優平/楠原悠介組。写真:伊藤功巳

レッドブロックを1位通過した伊予銀行は、ファーストステージでも前回準優勝のイカイに勝利している。決勝トーナメントでは、S2の片山翔が敗れるも、S1の中川舜祐が勝利を挙げてダブルス勝負に。河野優平/楠原悠介組が1セットダウンから逆転勝利し、準決勝進出を決めた。

レック興発はノアインドアステージに敗れたが、S1の田口涼太郎は大接戦の末に勝利を挙げた。写真:伊藤功巳

■男子決勝トーナメント 準々決勝結果
伊予銀行 2-1 イカイ
ノアインドアステージ 2-1 レック興発
エキスパートパワーシズオカ 3-0 山喜
橋本総業ホールディングス 2-1 三菱電機

<男子決勝トーナメント 準決勝カード>
伊予銀行 対 ノアインドアステージ
エキスパートパワーシズオカ 対 橋本総業ホールディングス

勝利を決めたノアインドアステージの塩谷夏美/伊藤日和組。写真:伊藤功巳

■女子決勝トーナメント 準々決勝結果
ノアインドアステージ 2-1 エームサービス
橋本総業 2-1 明治安田生命

<女子決勝トーナメント 準決勝カード>
橋本総業ホールディングス 対 ノアインドアステージ
橋本総業 対 島津製作所

<大会スケジュール>
2月15日(土)/男女準決勝戦10:00~、男子5位7位、女子5・6位決定戦NB13:00
2月16日(日)/男女決勝戦、男女3位決定戦10:30~

取材・文:赤松恵珠子 写真:伊藤功巳