千葉県柏市の(公財)吉田記念テニス研修センター(TTC)において、男女共催のITF大会(男女ともに1万5000ドル)、『かしわ国際オープンテニストーナメント』が開催された。大会最終日の4月6日(日)は、男子シングルス準決勝と、男女決勝が行われた。

女子決勝は第1シードの清水綾乃(Team LB 302位)と、前日の準決勝で第2シードの清水映里(totsu 361位)を倒し、勝ち上がってきたノーシードのク・ヨンウ(韓国 525位)との対戦となった。

韓国のク・ヨンウ

清水はランキング的にもっと上の大会に出られることもあり、「直前まで出るかどうか迷った」という。しかし「自分が向かっていくときには良いけれど、優勝を取りにいって勝ち切れたという経験はプロになってから多くない」ことから、「優勝」の2文字を自分に課して今大会に臨んだ。

立ち上がりから持ち前のパワフルなショットと展開力で、清水は試合を優位に進める。クが攻めに転じたときには粘り強さを見せ、カウンターでエースを放った。第2セット5−1リードのマッチポイントから、相手の開き直りに焦り2ゲームを落とすが、終始清水のペースで試合が進み、6-3 6-3で優勝を手にした。

清水綾乃

「第2セット後半では相手も打ってきましたが、ゲームを取るにしても落とすにしても、粘り強さを見せないと、と思ってやるべきことをやりました。攻めの気持ちはありましたが、全体的に見れば今日は耐えたテニスだったと思います」と、清水は試合を振り返る。

2020年、22年に行なった2度のヒジの手術によって、19年5月に175位まで上昇したWTAランキングを落とした。一時は「こうやってテニス人生が終わるのかと思った」と落ち込むこともあったが、現在はプレーへの影響はないという。

「やっぱり優勝はシンプルにうれしいです。緊張もしましたが、出るからには勝ちきりたいと思いましたし、危ない場面も乗り切れました」と笑顔を見せる。

「あとどれくらいできるかわからないですが、やりきってテニス人生終わりたいと思って…」と、小学校5年生から所属していたMAT前橋テニスアカデミーを離れ、4月から神尾米さんが率いるTeam Riseに拠点を移し、心機一転してテニスと向き合う。

新たなスタートを優勝で飾り、清水は再びグランドスラムを目指す。

■女子シングルス結果
○清水綾乃[1] 6-3 6-3 ●ク・ヨンウ

■女子ダブルス結果
○ク・ヨンウ(韓国)/佐藤南帆(三田興産)[2] 6-2 6-4 ●清水映里(totsu)/吉岡希紗(こみぞ眼科)[1]

大会公式サイト

取材・写真/保坂明美