ATPツアーは新型コロナウイルスのパンデミックにより3月より中断し、ATPランキングは3月16日付で凍結されている。
ツアーは8月14日からの「ATP500 ワシントンD.C.」より再開され、ランキングは8月24日付けで更新されるのだが、コロナにより、再開後のツアー参戦が難しい選手にとっても納得できる暫定ランキングシステムが7月6日に発表された。暫定 ATPランキングシステム
9日にはWTAもATPと基本的に同じランキング計算方法に追従した。暫定 WTAランキングシステム
ランキングは過去52週間(12ヶ月)の結果に基づいて決められていたが、それを22ヶ月(2019年3月~2020年12月も入れる)期間で算出する方法にした。
同期間内で同じ大会を2度プレーした場合、どちらか良い方の結果をカウントする。
これにより凍結されている3月16日付での獲得ポイントは、再開後のツアーに無理して出なくても維持することができることとなった。
新暫定ATPランキング 錦織圭と西岡良仁の選択は
2019年8月、ATPツアーマスターズ1000シンシナティ、厳しい予選を勝ち上がってきた西岡良仁(ミキハウス)は1回戦にも勝ち、2回戦で錦織圭(日清食品)をやぶった。西岡良仁憧れの先輩錦織圭を破る!
次の3回戦ではA・デミノー(オーストラリア)にも勝利、準々決勝に進出した。西岡は8強になり205ポイントを獲得した。
西岡が獲得した205ポイントはこの暫定ランキングシステムで確約されている。
まだまだコロナ対策が万全とは言えないアメリカツアー、選手は会場とホテル以外は原則外出禁止と言う。
アメリカ遠征に行くかどうかは迷うところだ。
西岡良仁 獲得ポイント内訳
一方、コロナ期間中もアメリカでトレーニングに励んでいた錦織は、昨年のシンシナティ初戦で西岡に負け10ポイントだった。
怪我の影響もあり、USオープンは3回戦、90ポイントだった。ナダルなど多くのプレーヤーが欠場するかもしれないUSオープンなどのアメリカツアーで、大いにポイントを稼げる可能性ある。
錦織圭 獲得ポイント内訳
このランキングシステムの一時的な変更は、国際テニス連盟(ITF)を交えて協議され決まった。
2021年シーズンも引き続きコロナパンデミックの影響を受ける場合、さらに検討されることになる。
記事:塚越亘 塚越景子 写真 TennisJapan