4月7日(日)デ杯日本対韓国戦、初日2勝し先行した日本だったが、2日目のダブルスと最終日の第一試合でNO.1の添田豪が敗れ2勝2敗となってしまった。勝負は最終戦、伊藤竜馬に託された。
そのプレッシャーのかかる試合で伊藤は素晴らしいテニスをし、日本をワールドグループ・プレー・オフに進出させた。

世界で戦う伊藤竜馬の意地を見せてくれた勝利
○伊藤竜馬 6-3 6-3 6-0 ●趙ミンヒョク

韓国、趙のサーブで始まる。
趙は初日添田と4時間近く戦っている。
15-40からストロークをロング、韓国は最初のサーブを落とす。日本1-0。

伊藤はサービス・エースなど決めてラブでキープする。日本2-0。

王手から逆王手のピンチに!自分に勝敗がかかり、覚悟のできた伊藤竜馬と
韓国の勝利が自分にかかってきた趙、その精神的な気持ちの差が出ている序盤だ。

30-40、このポイントはめちゃくちゃ大きいとWOWOWで解説する松岡修造。
修造の解説はおもしろいと評判、ビデオ録画の価値がある。選手達もあとで自分のプレーを見直している。
日本を背負って戦ってきた修造の解説は、自分が苦労し、思うような活躍できなかっただけに真をついている。そう言えば、よく痙攣をおこしていた。厳しい発言もあるが、日本のテニスを思いやる気持ちがわかる。
修造は今ベンチに座り韓国の監督をしている伊に、1997年デ杯韓国戦、敵地、2勝1敗で勝負がかかった時にいやらしいスライスで自分のプレーができずに敗れている。

伊藤はその大事な場面、素晴らしいフォアをクロスに打ち、また韓国のサーブをブレークした。

日本3-0、伊藤竜馬凄いぞ!と思っていたら、伊藤はサーブを15で落としてしまった!
たたみかけるチャンスだったのに。韓国の趙もミスが減り、段々とペースをあげてきた。

この試合も長くなりそうな展開だ。メンタルなバトルになりそうだ。
修造もこの試合は長くなるので、覚悟をと言っていた。
そう今までの伊藤竜馬だったら、変に力が入り過ぎたりして自分から崩れていくパターンが多かった。
しかし今日の伊藤竜馬は違う。

3-5韓国のサーブ、10数回のラリー戦、伊藤はバックショートクロスを放ち、スルスルスルと前に出てバックボレーを決め0-40とセットポイントを掴む
うまいプレーだ。
伊藤はリターンを強打する。趙はそのボールをバックでネット、伊藤が第1セットを22分で取った。

第2セット

伊藤、最初のサーブをキープする。
伊藤の今日のテニスは良い、
勝負がかかった試合、その緊張はあるだろが、その緊張が集中力を生み、逆にリラックスできている。
アルマグロ、ステファネック、メルザーに勝ったりした時と同じようなテニスができている。
つなぐ時はつなぎ、攻める時は攻める、そのメリハリが良い。
あとは勝ちを意識できる勝負どころでメンタルが維持できるか?だろう。

2-2、伊藤のサーブ、30-0から混戦に、3度のジュース後にキープした。偉い!

第6ゲーム、前に出てきた趙をタイミング抜群のトップスピンロブを決めて15-40と伊藤はした。
フォアの強打で攻め、伊藤はブレーク、4-2とリード。素晴らしい伊藤のプレーだ。

4-2、伊藤のサーブ、大切で大きなゲーム、2度のジュースになるが最後はバックへのサービス・エースで締めくくった5-2。

5-3、伊藤のサービィング・フォア・ザ・セット、
23回目のショット、フォアのクロスを強打して伊藤が決めた30-30、
Tへサービス・エース、40-30とセットポイント

ジュースになるが、またTへサービス・エース級!
またまたTへサービス・エース級を決めて、第2セットも伊藤が取った。

第3セット

オープニング・ゲーム、30-40、ラリー戦、趙のストロークはロング、伊藤のブレークで始まる。

第2ゲーム、伊藤のサーブはジュースを繰り返す、2度目のジュースはダブルフォルト、ブレーク・ポイントを握られる。
落ち着いて逆をつき、ジュースに。そしてまた逆を突き決めた。伊藤は落ち着いている。
前に出てドライブボレーからオープンにボレー、サーブをナイスキープ、2-0だ。

趙サーブの第3ゲーム、30-40とブレーク・ポイントを掴んだ伊藤だったがそこはジュースに。
2度目のブレーク・ポイント、伊藤はセカンドサーブをバックでリターン・エース気味、ストレートに決めた。日本3-0だ。

ラブでキープする伊藤は続くゲームをなんとラブでブレーク、日本5-0!!

ドラゴンショットが冴え40-0、ワールドグループ入れ日戦進出のマッチ・ポイント!
最後はバックのサービス・エースで締めくくった!1時間38分

勝負がかかった大一番、
嬉しい誤算?
世界の伊藤竜馬が男をあげた!!

「最初から最後まで集中して戦えた。
初めてデ杯で勝負がかかる試合に出場したが、勝敗を考えずに1ポイント1ポイント戦った。」と伊藤竜馬。

「デ杯で思うような貢献ができていないと思っていたようだが、それを払拭できる勝ち方。今後につながる勝利」
と植田実監督は称える。

「実力差がある中で選手達はプライドを持ち、接戦を挑んだ。その選手たちを誇りに思うし、感謝したい。」韓国の尹龍一監督は選手達のファイトと誇りにをほめた。さすがインドをやぶって勝ち進んできた粘っこい韓国チームだった。

伊藤竜馬 ブログ
伊藤竜馬 データー 1988年5月18日生れ 24歳

ワールドグループプレーオフは9月13、14、15日
対戦相手は:ワールドグループ1回戦で負けたスイス、スペイン、クロアチア、ドイツ、オーストリア、ベルギー、ブラジル、イスラエルと地区予選を勝ち上がった日本はじめ、豪州、英国、オランダ、ポーランド、コロンビア、エクアドル、ウクライナ、合計16ヶ国でシードをつけ対戦相手を決める。
日本対フェデラーのいるスイスとか、日本対ナダルなどのスペインもあり得る。ドローはイギリス時間の10日、11時よりロンドンで決まる。

デ杯 アジアオセアニアゾーンⅠ
日本対韓国
有明コロシアム
ライブスコア

4月5日(金)シングルス
○伊藤竜馬 61 64 64 ●鄭石英
○添田豪 57 26 64 64 62 ●趙ミンヒョク

4月6日(土)ダブルス
●守屋宏紀/内山靖崇 57 16 46 ○南智惺/林勇圭

4月7日(日)シングルス
●添田 豪 75 67(5) 46 36 ○林勇圭
○伊藤竜馬 63 63 60 ●趙ミンヒョク

日本対韓国対戦成績は11勝4敗となった
日本チーム データー

(記事 塚越 亘 写真 伊藤功巳 テニスジャパン