今季2大会目のグランドスラムとなる全仏オープンが、26日にパリ郊外のローランギャロスで開幕。日本人選手の先陣を切って登場した添田豪は、ポルトガルのジョアン・ソウザと対戦したが、1-6、3-6、2-6で敗れ、全仏オープンでのシングルス初勝利は成らなかった。
現在の、添田の苦しい状況を物語るような試合内容だった。第2ゲームで遭遇した、ブレークポイントの場面のことだ。ラインを超えたかに思われた相手のショットが、主審により入っていたと判定される。納得のいかない添田は抗議するが、判定が覆ることはない。このゲームをきっかけに、試合の流れやツキまでもが、添田の元から離れていくようだった。以降は、添田のショットが正確性に欠き、クレー巧者の相手に主導権を握られてしまう。第3セットでは、0-4、とリードされたところから、開き直ったかのように強烈なフォアを打ち込みブレークに成功するが、反撃の狼煙を上げるには、あまりに遅すぎた。
これで今シーズンの添田は、9大会で初戦敗退。昨年はランキングを大きく伸ばした飛躍の年だったが、今季は2年目のジンクスに苦しんでいる。ランキングが上がったために厳しい試合が続き、長期の海外遠征が増えたために体調を崩したこともあった。勝ちに見放されれば気持ちも下向きになり、「考えすぎて、(悪い流れを)呼び込んでしまったかのようなところがある」と、苦しい胸の内を明かした。今日の試合に関しても「もっと開き直るべきだった」と悔いは隠さない。
だがそれでも、戦い続ける以外には道を切り開く術がないことを、苦労人の添田は良く知っている。
「こういう時ほど、ヒントが転がっている。もがき続ければ、きっかけもつかめると思うので、腐らずにやっていきたい」
厳しい道であることは百も承知で、28歳の求道者は歩み続ける。
※写真は、全仏オープンの1回戦でポルトガルのソウザに敗退した添田
Photo by Hiroshi sato
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