土居美咲(テニス)

ローランギャロスで開催中の全仏オープン1回戦で、土居美咲マディソン・キーズに、3-6、2-6で敗退。同大会の初白星獲得はならなかった。

キーズとの過去の対戦成績は1勝1敗。初対戦は約1年前のウィンブルドン予選で、その時は土居が勝利している。だが伸び盛りの18歳の対戦相手は、その時から実力もランキングも大きく伸ばしていた。178cmの長身から打ち下ろすサービスは、コンスタントに時速190キロを計測。ウィンブルドン予選で当たった時は「粘っていたら、相手がミスしてくれた」(土居)が、この日のキーズは、そのミスが格段に減っていた。豪腕から繰り出された打球は、必死に伸ばした土居のラケットを何度もかすめていった。

それでも、土居に勝機が全く無かった訳ではない。試合最初の相手のサービスゲームではポイントで先行し、デュースに持ち込みキーズを慌てさせた。だがこのチャンスを逃すと、続く自身のゲームでは、40-0とリードしながら、5ポイント連続で落としブレークを許す。

次のゲームでも、相手のミスを誘いブレークポイントを握ったが、チャンスを手にする度にキーズのサーブが火を吹いた。どちらに転がってもおかしくない立ち上がりのゲームだったが、これらを全て逃したことで、相手に主導権を握られてしまった。
 
今週発表のランキングで、土居はクルム伊達公子を抜いて日本人2位の座についた。徐々に高まる責任感は負けた悔しさを増幅させるが、同時に、敗戦を糧とし次に繋げる自覚も生んでいる。「スピンを掛けたストロークを主体とする私のプレーは、クレーで生きるはず。今後もっと経験を積めば、相性の良いコートになると思います」

多くの日本人選手が苦手とするクレーについてそう言い切るのも、自信と責任感の表れだろう。確かに今日の試合でも、重いフォアのショットで相手を押し込んでからドロップブボレーを沈めるなど、独創性溢れるプレーで客席を沸かせもした。

初戦敗退は、間違いなく無念だろう。だが敗れてなお、何かをつかんだ大会だったはずだ。

写真は、1回戦でマディソン・キーズに敗退した土居美咲
Photo by Hiroshi sato

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