24日、テニスの四大大会であるウィンブルドンが開幕、男子シングルス1回戦が行われ、第5シードのラファエル・ナダル(27歳、スペイン)がスティーブ・ダルシス(29歳、ベルギー)に6-7(5)、6-7(8)、4-6のストレートで敗れる大番狂わせが起きた。グランドスラム通算12勝、先の全仏オープンでもタイトルを獲得したナダルが、グランドスラム1回戦で姿を消すのは初めてのこと。

今年2月に左ひざの怪我から復帰したナダルは、その後出場した9大会全てで決勝に進出し7つのタイトルを積み上げるなど、完全復活を遂げたと思われていた。しかし、落とし穴は意外なところにあった。

第1セット第11ゲームで先にブレークを許したナダルであったが、続くゲームをすぐさまブレークバックしタイブレークに持ち込む。タイブレークでは3-6と劣勢ながらもチャンスを狙っていたナダルだったが、ダルシスにフォアボレーを決められてセットダウンとなる。

世界ランク135位のダルシスに先制を許したナダルだったが、第2セットは先にブレークに成功、6-5とサービング・フォー・セットを迎えたが、今度はダルシスが土壇場でブレークバックに成功、再びタイブレークとなる。このタイブレークでもダルシスが6-3とリードするが、ここはナダルが粘りを見せて6-6に追いつくと、8-7とセットポイントのチャンス。しかし、このチャンスをナダルが逃すと、このセットもダルシスが奪う。

もう後がないナダルだったが、第3セットのオープニングゲームでブレークを許してしまうと、第8ゲームであったブレークチャンスを生かせない。逆にピンチをしのいだダルシスはマッチポイントでこの日13本目となるエースを決め、2時間55分の番狂わせを完成させた。

自身初となるグランドスラム初戦敗退となったナダルは「悪いプレーをして、相手が良いプレーをすれば、負けるときもある。ダルシスの勝利を祝福したいね。彼は素晴らしいプレーをしていた。別に悲劇というわけじゃないし、これがスポーツというもの。」と、対戦相手を称えた。

「2週間前はローラン・ギャロスという素晴らしい大会に優勝できた。その2週間後、ここで初戦敗退になった。これがテニスの良いところと悪いところ。1回戦で負けるのは辛いね。」

昨年大会では2回戦でルーカス・ロソル(27歳、チェコ)にフルセット負けを喫していたナダルは、世界ランク1位経験者としては男女を通じて唯一のグランドスラム1回戦負けを経験していない選手だった。また、全仏オープンの優勝者が同年のウィンブルドン初戦で敗退するのは、1997年のグスタボ・クエルテン(ブラジル)以来となる。

この他の試合では、第2シードのアンディ・マリー(26歳、英国)、第3シードのロジャー・フェデラー(31歳、スイス)ら順当に初戦を勝ち上がったほか、元世界王者のレイトン・ヒューイット(32歳、オーストラリア)が第11シードのスタニスラス・ワウリンカ(28歳、スイス)をストレートで破っている。