ロンドンで開催中のウィンブルドン選手権は7日に男子車椅子ダブルス決勝戦を行い、国枝慎吾/ステファン・ウデ組がフレデリック・カタネオ/ロナルド・フィンク組を、6-4、6-2で下し優勝した。国枝にとってウィンブルドンのダブルス優勝は7年ぶり。同大会では、車椅子のシングルス部門は行われていない。
全仏でも頂点に立った国枝とウデの最強ペアだが、立ち上がりは苦しんだ。「相手は安定感がある中で、自分たちの方が崩そうと攻めてミスが出てしまった」というように、王者ペアのミスが目立ち、相手にいきなりブレークを許した。だが、粘り強く次のゲームをブレークバックすると、徐々に試合を支配しだす。ゲームカウント、4-4からは相手のサービスゲームを破り、そのまま第一セットを取った。
第2セットでは、国枝がコートを縦横に駆けてボールを拾い、ウデが自慢の豪腕を振り回して強打を打ち込む、得意のパターンが決まりだす。「攻めていくうちにボールが入るように」なってからは、実力に優る2人が完全に試合を支配する。マッチポイントも、国枝がサーブで崩し、ウデがボレーを叩き込んだ。
「7年ぶりの優勝は嬉しいです。芝は、自分の武器であるチェアワークが発揮し辛いが、その中で粘り強くやれました。ウィンブルドンは、グアンドスラムの中でも楽しい場所」
チャンピオントロフィーを手にした国枝は、“聖地”での優勝を喜んだ。だが同時に「や
はりシングルスで勝ちたいという思いが強い」とも言う。次のリオ五輪を視野に入れ、チェアの高さを上げることも検討中だ。
「次の目標は、全米でシングルスとダブルス両方で優勝すること。シングルスで勝ちたいのはもちろんだが、ダブルスでは全豪、全仏、そして今回も優勝した。全米でも優勝してグランドスラムを達成したいですね」
完璧を求める王者は高いモチベーションで、より上を目指している。
※写真は、7年ぶりにウィンブルドンで優勝を果たした国枝慎吾
Photo by Hiroshi sato