大阪にある靭テニスセンターで行われている全日本ジュニアは最終日の17日を迎え、18歳以下男女シングルスの決勝が行われた。
絶対的な優勝候補がおらず、誰にでも勝つチャンスがあった18歳男子。そんな中、インターハイ準優勝の実力を見せて準決勝まで上り詰めたのが第6シード上杉海斗だ。上杉は第1シード竹元佑亮を準々決勝で撃破。この上杉を中心に優勝争いが繰り広げられるかと思われたが、その上杉は準決勝で両足のケガによってリタイアし、ノーシードから勝ち上がった萱野靖晃が決勝へ進んだ。
もう一方の山は、高校2年ながらも第2シード越智真がシードを守って決勝へ進出。準決勝でも、「インターハイ団体戦で優勝した勢いに乗れた」と今大会で快進撃を続けていた高校3年生の岩崎歩に対し6-4、6-3と強さを見せつけた。
その2人の決勝は、鋭いサーブと左右コースにストロークで巧みに萱野を動かした越智が6-4、6-3で勝利。萱野も安定したストロークで粘り強さを見せたが、越智がうれしい全国大会初優勝を遂げた。
女子は、グランドスラムジュニアなど国内外でも活躍している第1シード奥野彩加や第3シード山本ひかりらを中心に優勝争いが繰り広げられると予想された。実際にそのとおりに大会は進み、2人とも順当に準決勝へ進出。しかし、その準決勝では猛暑の影響等で2セット目に入る際に目眩がしたという奥野が本来の動きができず、フルセット負けを喫した。一方の山本も準決勝で右足のケガにより、後半足が動かず、悔しい逆転負け。
こうして運も味方につけて決勝へ進んだのが、第6シード千村夏実とインターハイ覇者の第7シード牛島里咲だ。千村は高い打点から放たれる強打が武器で、フィジカルが強いのも特徴。対する牛島はフォア・バックとも両手打ちでスピード感があり、フットワークが良いのが持ち味。決勝ではお互いの良い部分が発揮され、激しいストロークの応酬に。流れが行ったり来たりするシーソーゲームとなったが、最後は強いサーブからパワフルショットで押した千村が3時間21分の激闘を制し、初の全国大会初タイトルを獲得した。
18歳以下男子シングルス決勝
越智 真(2)(関西・神戸学院大学TC)6-4,6-3 萱野靖晃(中国・岡山理大附高)
18歳以下女子シングルス決勝
千村夏実(6)(関東・吉田記念テニス研修センター) 7-5,6-7(2),7-6(5) 牛島里咲(7)(関東・高崎TC)
※写真左から、越智、萱野、千村、牛島
記事・写真:テニスクラシック(日本文化出版)