ニューヨークで開催中の全米オープンは30日に女子ダブルス1回戦などを行い、クルム伊達公子/パラサントンハ組は、第5シードのハラデツカ/フラバチコバ組と対戦。0-6、3-6で敗れ、2回戦進出は成らなかった。
クルム伊達たちが対戦した相手は、今大会の第5シードにして、フェドカップでも最強チェコの屋台骨を支えるペア。ところがそのダブルススペシャリストは、今年1月の全豪オープンでは、クルム伊達/パラサントンハ組に敗れている。相手にとっては是が非でも負けられない一戦であり、またクルム伊達たちにしてみても、リベンジに燃える相手の出方は想定内。
「全豪で対戦し、お互いの手の内が分かっている中で様々なシチュエーションを考え、試合前からアランチャ(パラサントンハ)とも作戦を話し合って入った」クルム伊達は、そう明かす。
4人の選手による高度な読み合いと駆け引きが入り組むダブルスの醍醐味は、最初の数ゲームに凝縮されていた。クルム伊達組は、最初の自分たちのゲームで、40-15とリード、続く第2ゲームでは0-40とブレークチャンスを握る。ところがいずれのゲームでも、追い上げる相手に奪われた。相手が出方を変えてくるだろうというクルム伊達たちの読みは正しく、対応策も機能していた。だが相手は、新たな策を高いレベルで遂行していく。結果として許した、2ゲーム連取。
「あそこの2ゲームで、完全にリズムを持って行かれたところがある。さすが相手はスペシャリストで、色々と経験している」
今回の対戦では、相手の経験と執念に敗れる結果となった。
今季のクルム伊達は、冗談交じりながらも「昔の自分の最高ランキングを超えたい」という目標を公言している。現在のランキングは、過去の最高位と並ぶ33位。
「(記録更新が)一つのモチベーションにもなっている」という目標に向け、9~10月のアジアシリーズも、4大会連続でダブルスにも出場する。
※写真は、フォアハンドを打つクルム伊達
写真/佐藤ひろし