ニューヨークで開催中の全米オープンは6日に女子シングルス準決勝の2試合を行い、前年優勝者のセリーナ・ウィリアムズが、李娜を6-0、6-3で破り連覇に王手。第2シードのビクトリア・アザレンカは、フラビア・ペンネッタを6-4、6-2で退け2年連続の決勝進出を決めた。
今季、ハードコートで僅か1敗。その記録は、準決勝が終わった後も守られた。「最近特に力を入れている」というフィジカルトレーニングの成果もあり、左右の動きが高まったアザレンカ。左右の動きが良くなれば、走りながら鋭角に切り返すランニングショットが威力を増す。
この日対戦したペンネッタは、アザレンカがハードで強い理由を「左右に振っても、リーチがあるので鋭いボールが返ってくる。彼女は身体が大きく、なおかつ速い」と分析した。ペンネッタもそれは分かった上で、スライスなどを使いながら、アザレンカのバランスを崩そうと試みる。第1セットではそれが効果的に決まり、ミスを誘った。
スタジアムを巻くように吹く強風にも煩わされ、アザレンカは「第1セットはリズムがつかめなかった」とも言う。ダブルフォルトも5本犯し、サーブにもいつもの伸びがない。ゲームカウント5-4のサービスゲームでは、粘るペンネッタを突き放しきれず5度のデュースを繰り返した。それでも、最後は鋭いサーブをセンターに叩きこんでセット先取。これで落ち着きを取り戻したアザレンカは、第2セットはミスの数も半減。第2シードの地力を見せつけ、決勝への切符を手にした。
そのアザレンカの勝利を見届けコートに入ったのが、昨年の優勝者であるセリーナ・ウィリアムズ。いつも通り、試合前のインタビューに言葉少なく応じた女王は、殺気にも似た緊張感をまとってコートに立った。
その類まれなる集中力が、初めて全米準決勝の舞台に立つ李娜を飲む。セリーナは、まずはサーブで先制パンチを浴びせると、深いリターンで李娜のサーブを崩していく。第1セットは相手に1ゲームも与えず、29分で奪い去った。
第2セットもセリーナは、ミスの多い李娜を突き放し勝利へとひた走る。第8ゲームで5つのマッチポイントを凌いだのが、李娜が見せたせめてもの抵抗。最後はセリーナが、スピードを抑えたサーブをセンターに打ち込み、3年連続の決勝進出を決めた。
これで女子の決勝は2年連続で同じ顔合わせに。また、世界1位と2位による決勝は2003以来となる。
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※写真は、決勝進出を喜ぶアザレンカ
写真/佐藤ひろし