ニューヨークで開催中の全米オープンは6日に男子車椅子部門のシングルス及びダブルスの準決勝を行い、国枝慎吾がいずれの試合にも登場。シングルスではM・ジェレミーに7-5、7-5で勝利したが、S・ウデと組んだダブルスでは6-2、0-6、4-6で破れ、ダブルス・グランドスラムの夢は断たれた。
「自分自身のテニスは、もう少し調整が必要ですね」
現在の調子について、国枝はそう口にした。特にこの日は、最大の武器であるフォアハンドに多少の不安を抱いていたという。その僅かな狂いが影響したか、シングルスの試合では両セットで先にブレークを許し、常に相手の背を追う苦しい展開を強いられた。
それでもそこから逆転し、最終的にはストレートで勝ったのは王者の貫禄。「悪いなりに、どういうテニスをするかが大切。その能力が自分にはあると思う」と、ゲームメイクと経験値に絶対の自信を見せた。
しかし、4人の選手の思惑や戦術、調子が複雑に入り組むダブルスでは、そうはいかない。
この日対戦したジェレミー/ステファンズのペアは、ここ3試合で勝ってきている相手。それだけに「負けたのは、ちょっと意外な気持ち」と国枝は首をかしげるが、同時に「意外と思うのは、それだけ油断があったということ。第2セットでは、僕もウデも調子が落ちてしまった。第3セットの2-4から盛り返したけれど、一歩及ばずでした」と、敗戦の裏にかすかな油断があったことを認めた。
これで、今年の全豪から続いたグランドスラムでのダブルス連勝は途絶え、年間グランドスラムの夢もついえた。その悔しさは、当然、シングルスで晴らす心づもりだ。
シングルス頂上決戦で当たるのは、ダブルスのパートナーでもある、ステファン・ウデ。 ウデとは全仏の決勝でも当たっており、その時は国枝が敗れている。
「ダブルスで残念だった分、シングルスで勝ちたいと思っているのはお互い様。どうしても勝ちたい。明日は試合が無いので、フォアを調整していきます」 ダブルスの悔いを、そしてフランスでの借りを返すべく、王者は雪辱に燃えている。
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※写真は、シングルス決勝に進出した国枝慎吾
写真/佐藤ひろし