6日、中国・北京で開催されている男子テニスツアーのチャイナ・オープンはシングルス決勝が行われ、第1シードのノバク・ジョコビッチ(26歳、セルビア)が第2シードのラファエル・ナダル(27歳、スペイン)を6-3、6-4のストレートで撃破、今大会通算4度目となる優勝を果たした。
タイトルだけではなく世界ランク1位の座もかかっていた今大会、ナダルが決勝に進出したことで世界ランク1位の座は失ったジョコビッチだったが、この日の決勝ではナダルを相手に終始試合のリズムを支配した。
「今日の勝利は必要でした」と語ったジョコビッチ。「2013年のベストプレイヤーであるナダルに勝利して、トロフィーを手に入れたかった。自信を持つために大切なんだよ。精神的にも感情的にもね」
ジョコビッチはこれで今大会での通算成績を19勝無敗。2009年、2010年、2012年とタイトルを獲得しており、今大会と抜群の相性の良さを証明した。
「素晴らしい1週間でした。この大会ではまだ負けていません。ここのコンディションが大好きなんです。コートや雰囲気などトーナメントを形作るものが大好きです。センターコートは素晴らしいし、エンジョイしています」
今季のジョコビッチは、ナダルにモンテカルロ・マスターズの決勝で勝利していたものの、その後は全仏オープン準決勝、ロジャーズ・カップ準決勝、そしてUSオープン決勝と3連敗を喫していた。
世界ランク1位の座をナダルに明け渡したジョコビッチだったが、この日の試合では試合開始早々にブレークに成功すると、自らのサービスゲームではセットを通して2ポイントしか失わない展開でナダルを封じ込め、わずか35分でセットを先取した。
「集中力を失わず、タフにいられました。過去のラファからのハードコートでの敗戦に学びました。特にUSオープンの決勝がいいレッスンでした」と語ったジョコビッチ。第2セットに入っても勢いを失うことなく序盤でブレークに成功すると、自らのサービスゲームでは隙を見せることはなく、1時間27分で勝利を収めた。
世界ランク1位への復帰をタイトルで祝うことが出来なかったナダルは「今日の午後は、彼を止める術が見つからなかったね。今日の彼は強すぎた。僕はベストプレーではなかったけど、彼はとても高いレベルでプレーしていたよ」と、敗戦を受け入れるしかない。
ハードコートでは今季ここまで公式戦無敗を続けていたナダルだったが「リターンでは全くチャンスがありませんでした。彼はボールは常に低く、スピンをかけるのが大変でした。彼は好きな所にボールを強打できましたね。そういうことをノバクのような選手にやられると、もうお手上げだね」
ナダルは今シーズン2月に膝の怪我から復帰すると、出場した全大会で決勝に進出、全仏オープンを含む7大会でタイトルを獲得した。その後、ウィンブルドンでまさかの1回戦敗退を喫したが、その後のハードコートシーズンは無傷の17連勝を記録、USオープンでも3年ぶりにタイトルを獲得していた。そして、今大会では2011年7月以来となる世界ランク1位に返り咲きを決めていた。